西穂高岳 雪上トレーニング
日程 : 2月10−12日
参加者 : L、装備:北口 SL、記録:坊垣 食料:大石・山本 渉外:三谷 気象:高松 医療:蔭山 会計:鈴木
山行形態 : 西穂山荘付近でテント定着
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行動記録
2/9 23:26
大阪駅発急行きたぐに
2/10
4:?? 富山駅着 ところが駅に降り立ったのは8名の内2名、6名は列車と共に北へ。
6:03 どうにか合流、予定通りの列車で猪谷へ。さらに神岡鉄道で神岡へ。
8:25 神岡着。ところが乗るはずのバスはなし。どうやら降りるべき駅を取り違えたらしい。
やむなくタクシーで新穂高温泉へ向かう。
新穂高温泉で支度を済ませ、ロープウエイに乗る。
10:40 ロープウエイ駅を出発 12:20西穂山荘着
13:40 テント設営終了 14:00 歩行トレ
15:00 西穂山荘帰着 19:00 就寝
2/11
5:00 起床 8:00出発 8:40トレーニングの斜面、フィックスロープを張り滑落停止訓練
9:35 休憩 強風雪のためトレーニングを切り上げる。 10:00 独標に向け出発 10:40 独標手前から引き返す
11:00 西穂山荘帰着 18:50 就寝
2/12
5:50 起床 8:15 独標に向け出発 9:30 独標着
9:35 独標発 10:40 西穂山荘帰着 テント撤収
11:40 出発 12:40 ロープウエイ駅着 13:30新穂高着
15:00 タクシーにて高山へ
17:14 臨時急行で大阪へ 21:31大阪着
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昨年の11月に雪上トレを御嶽山で行うよう計画を立てていたが、積雪量不足のため中止し、12月に富士山でトレーニングを行うよう計画を変更した。しかし12月も積雪が少なく中止しとなった。
本年度の積雪期の山行を実施するにあったて、滑落停止や、雪上歩行のトレーニングの経験のない会員がいることは山行を取り組むにあったて不安材料を抱える事を意味する。そこで2月に再度雪上トレーニングを実施する事にした。当初は御嶽山で実施する計画であった。しかし1−2月は一転して冬型の気圧配置が強まり、各山域とも積雪量が急増した。御嶽山でのトレーニングは2の池で行う事としていたが、1日ラッセルを繰り返してもそこに到達できない可能せいがあるのできゅうきょ場所を西穂に変更した。
西穂での雪上トレは悪天候の中での実施を余儀なくされた。さのため、トレーニングにさける時間はほんのわずかであった。そのため、トレーニングの消化不足は否めないが、稜線での強風の経験やら、ホワイトアウト時のルートファインディングの難しさなど付加価値の経験ができた事でその不足を補うことが出来たと考えている。
悪天でのトレーニングで参加した会員のほとんどが、大なり小なり凍傷を受けた事は反省材料としたい。
その他今回の山行にはいくつかの反省すべき出来事があった。それらについては参加者の感想文を掲載するのでその文面から読み取っていただきたい。
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西 穂 雪 上 ト レ 寄 り 道 事 件
23:26大阪発[急行きたぐに]にて富山まで、富山着は5時ごろとのこと。1時間前の10:30に席取りのため集合し、席を確保。禁煙車両に並んでいた蔭山さん、三谷さん、坊垣さん3人と、私たち5人(北口さん、鈴木さん、高松さん、山本さん、大石)は別車両になりました。いつものようにビールを買い込み、恒例の宴会から…。列車は途中まで満席で立っている人もあるくらいでした。少しずつ降りる人があり、私たち5人は2つずつ席を確保し(北口さんは床で…)ぐっすり眠りのなかへ‥‥‥。
列車は駅に停車している様子。
「あー腰が痛いナー 。」
と、体勢を変えようと体を起こすと、窓の外に『富山』の文字が…。「エッ」他の4人を見るとビクとも動かず深い眠りの中・・・・・・・・・。「エッ」たしか、『とやま』で降りるって言ってたけど・・・・・・・・・。「エッ」「『富山』って『とやま』って読むんだったんじゃなかったっけ。」
「んっ?『とみやま』?」
「んっ?やっぱり『とやま』?」
私も寝呆けているし、4人が4人とも誰も起きないので、『富山』の読み方まで不安になってしまいましたが、間違いなくそこは降りる予定の『とやま』でした。大慌てで、床で寝ている北口さんを起こしましたが、列車はすでに動きだし、『富山』の文字がいくつも『 富 山 』 『 富 山 』 『富山』『富山』・・・と過ぎて、やっと頭がハッキリしてきて乗り過ごしてしまった事実に気がつき、そーれから5人は大慌て。降りる支度をして、次に停車の『滑川』でやっと下車。
「どうするん。」
と思いながらも、あまりの出来事におかしくなってきてみんなで笑ってしまいました。そこへ、後からザックを担いだ人影が一つヒョコヒョコ歩いてくる…「まさかァー。だけどあれは…。」
なんとその人影は、蔭山さんじゃないですか!これまたビックリ。蔭山さんも乗り過ごしたらしい…。
『富山』に着いて、三谷さんがまず起きて、蔭山さんと坊垣さんを起こしたけど、蔭山さんは発車までに降りれず一人列車にとり残されたそうです。『滑川』までの間、一人っきりでさぞ心細かったことでしょう。
「僕が、みんなの食料の肉を持ってるから、それをどうやって届けようかと考えてた。」
と、さすが責任感の強い蔭山さん。『滑川』で私たちの姿を見つけ、リーダーの北口さんもいるのを知って、
「なんやー」
と、ホッとされたようです。
『富山』から高山本線への乗り換えは1時間15分の待ち合わせがあったのでその間に『富山』に戻ればいいのですが、5:03に『滑川』に着いてから『富山』へ行く次の列車は5:48までなく、その列車は6:01『富山』着で、6:03発の列車とは2分の乗り継ぎしかありません。『富山』に着いたら、ダッシュするよう北口さんの命令!ドアが開くと、6人はダッシュ!重たい荷物を持って階段をヨタヨタかけ上がり、
「こっちやー」
と叫ぶ北口さんを先頭にドタドタ走る姿はさぞ滑稽だったことでしょう。
列車の前には坊垣さんと三谷さんの姿が…
「あーよかった。これで8人再会できた。」
普通ならボーッと次の電車を待っていればいいところをなんと充実した1時間15分だったのでしょう。寄り道はしましたが、最後はつじつまがあってよかったぁ!
これは神戸労山始まって以来、前代未聞の不祥事らしい・・・あ★ら★まァ
大 石 貴 子
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今回は行きの列車を含め毎朝寝過ごすと言う、トレーニングとは言え、ちょっとだらしない山行であった。本番の山行ではこんな事がないよう、気を引き締めて掛からねば…
山行から帰った翌日、右手中指の爪の横に違和感があり、よく見ると皮膚が米粒大に白くなっていた。凍傷? 何でこんなところだけ? 山行の後かたづけをしていたらウールの手袋の、丁度その部分の毛糸がほぐれてほんの小さな穴が開いているのに気づいた。小さな穴でもとんだことになる。装備の点検は慎重に。ちょっと痛い教訓だった。
坊垣
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西穂高、雪上トレーニング(独標へ)
年末から延期されていた雪上トレに会員7名と参加しました。
これは来月に予定されている八ガ岳、阿弥陀岳南稜の山行のためにやっておかなければならないトレーニングである。
夜行列車を乗り次、2/10,8時過ぎ飛騨神岡町に着く、ここからタクシーで新穂高温泉へ、道路の雪は解けて暖かい感じである.ターミナルで装備分け。身支度を整えた後ここから2本のロープウェイで2156mの西穂高口駅へ上がる。車内はスキー客で満員、さらに西穂高荘へは1時間半の雪上歩行,小雪の降る中,出発する.ザックの重さは25キロありボッカトレの成果が出るか不安があった。歩き始めると気温も高くドット汗が噴出し歩くピッチがなかなか上がらない。色々な原因や,対策を考えながら歩くが状態は変わらない。一度休憩を取り,再び登り始めるが変わらない。後ろから来る大石さん,坊垣さんに少し心配をかけたようである。これが冬山入山の厳しさと感じて,ここは気力で登りきろうと考えてからはやっとピッチも上がる。
雪に覆われた標高2,395mの西穂山荘に到着,先行していた5名と合流する。テント設営(2張)後,滑落停止トレをする丸山ピーク上部の斜面まで尾根筋を歩くが雪のため視界が悪いのと飛騨側から吹き上げる風が強烈である。そのためか尾根の積雪は少ない。残念ながら周囲の景色は全く見えない。早々に下山する。2日目も吹雪で昨日よりも天候は悪い。下見した斜面へ向かうが風は昨日より強い。何回か耐風姿勢をとりながら進む。到着した斜面も大分積雪があり斜面下にフィックスロープを張り渡し,北口リーダーの指導のもと一時間ほど滑落停止の練習をする。2年ぶりのトレ,何とか停止のカンを取り戻す。全員雪だるまになりながら頑張る。積雪のため滑りが悪くなり中止。独標を目指そうということになり尾根に上がり登り始めるが雪混じりの強風でなかなか進めない。細かい氷片が顔に吹き付け痛さと冷たさでオーバー手袋を思わず風除けにする。上から下山してきたパーティーも視界が悪いため下降路を探す状態となり下山することになる.3日目5時起床、朝食は餅入りうどんをいただく。今日の天気予報は南岸低気圧が東へ去り冬型気圧配置は弱まり、曇りで降水確率は30%とのこと。リーダーより独標へ行こうという事になり、8:15テント場出発する。曇り空であるが周囲の冬山の景観は素晴らしい。稜線に出るとやはり風は強いが視界がきくので歩き易い、皆さんの歩行も快調である。風対策も昨日の反省で完璧である。9:30全員独標に登頂、目の前に聳えるピラミットピークが印象的である。また富士山も望め満足でした。記念写真を撮って下山開始、頂上からの下りは岩に雪がついているためアイゼン歩行を慎重にする。10:45テント場着.テント撤収、帰路に着く。
今回のトレは悪天候の中で少し残念な面もありましたが、次に繋がる貴重な体験が出来ました。
高松 真行
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西穂雪上トレーニングに参加しました。
出だしよりハプニング続き!参加者8名中、夜行列車で爆睡のため富山で降りないといけないのに6名乗り過ごす。大石さんが気がついて起きた時は、「富山」という駅の看板が右から左へさっていくのを発見!!その看板に手を振るしかなかったようです。次の駅で始発を待って富山で2名と合流。乗り過ごした人の方が多かったので、怒る人もなく和やかな雰囲気のなか西穂へ・・・
2月に雪山に入るのは、初めてだったので楽しみの中に不安がありました。
1日目は、滑落停止の練習。北口さんの説明の後、みんなすんなりと停止の練習を何回もこなしている。えぇ〜ペアの鈴木さんもすんなりとやっている。
そんなばかな・・・。しりごみしているのは、私だけ???
北口さんの目が光っている。「何しとんや!!」といわんばかりの目。
勇気をだして何回かやってみるとコツがわかってきた。「よし!!」とやる気になった頃、天気が悪くなってきた。「あ〜ら残念」
練習を中止し、移動しかけた頃より吹雪で数メートル先が見えない。まったく見えない。「怖い」ルートファイティングしながら進んでいく北口さんに必死でついていった。途中出会った登山者は、道に迷い私たちに出会ったため小屋まで下山できた。という出来事もあった。私は、自分が必死だったのでメンバーより後にそれを聞かされた。
この日は、悪天候のため昼から小屋で山本特製のホットケーキを焼いてみんなでワイワイガヤガヤお酒をのみながらお腹の筋肉が痛いぐらい笑って過ごしました。
次の日天気が良かったので独標まで行く事になった。
雪の岩場は、初めてでまたもや私の持病が・・・独標近くになるとあまりの高さに足がすくみだす。あまりの怖さに頭の中が真っ白!!思考能力ゼロ!!
半泣き状態で独標に着いた時は、あたりの景色を見る余裕なんてゼロ!!
下山にもかなりの時間がかかった。みんなに迷惑かけっぱなしで申し訳なかったと思っています。反省!反省!反省!
今回の山行で、いろいろと良い経験をしたので次回は、もっと私なりのランクアップをしたいと思います。早速自主トレしなくっちゃ!!
山本 一美
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西穂独標附近における雪上トレーニング報告
昨年、神戸労山の冬山教室での氷ノ山及び春山の白馬岳で雪山を経験させていただいた。今回、私にとって雪上トレーニングとはいえ、初めての本格的な2700mの冬山でした。この冬も積雪量が豊富で雪山を楽しみたい登山者やスキーヤーにとっては雪不足の心配はなさそうです。
10日、夜行の急行「きたぐに」で乗り換え駅の富山で8人のうち2人だけが下車。一瞬、寝起きの私が降りる駅を間違ったのかと思い駅員に走りより「高山線の乗り換えはここですか。」と尋ねたら「ここです。」との事。6人は乗り越してその後引き返してきた。全員揃ったところで再スタートとなる。
飛騨神岡からタクシー運転手の雪道のドライブテクニック、神戸牛より旨いという飛騨牛や地酒の話を聞きながらロープウエイ乗り場に着く。2階建てロープウェイで「にしほだかぐち」下車。天候は曇りで見晴らしはよくない。パウダー状の雪質で西穂山荘まで足が潜りそうだったが、よく踏まれていたので比較的楽だった。
西穂山荘近くでテント設営後、独標手前まで主に歩行訓練。手持ちの簡易な温度計ではマイナス15℃である。稜線上に出ると北西の烈風がすごい。稜線から上高地側の風下に降りると全く異なる。この差は経験しなければ分からないと思う。
以前、神戸労山の同胞がここで遭難したとの事であるが、この日よりさらに気温が低く、凄まじい横殴りの風雪に耐えられず、本来の進路を誤ったのも一つの原因ではないかと考える。
翌11日も同様な天候であったが、予定どおり独標手前で滑落訓練。滑落時の初期動作の重要性やピッケルの打ち込み方を斜面で実地訓練。Sさんの体調が思わしくないためツウェルトで小休止。その後、独標を目指すが天候がよくないためテントに引き返す。
他の登山者が我々の方に向かって降りてきて、西穂山荘から来たのかと聞かれたのでそうだとだけ返事をした。実は、彼らは小屋に帰る道を見失っていたようだ(意味を理解できず御免)。他の登山グループも視界の悪さと強風により道迷いをしていた。リーダーが他のグループも小屋まで先導し、感謝されていた。顔や指に軽い凍傷を負った人がいた。特に女性の場合心配だ。
その夜、我がテントグループは飲み過ぎで食事も作れず沈没。
翌朝、女性のテントグループからお叱りと朝食作りを命じられる。翌12日は、予想に反し風は相変わらずきついが星も見え晴れていた。
悪天と決め込み寝込んでいる人たちを起こし、今回の一つの目標である西穂独標に向かう。
荷物は最小限にし、稜線を歩く。時に烈風が横から襲ってきたときは耐風姿勢をとりながら進む。前方から下山してくる通常の雨具を着た女性の顔をよく見ると凍傷を負っているように見えた。
独標手前で3人の女性がザイルで結ばれておきてきた。待つ事数分体が冷えてきたが通過後一気に独標に登る。
そこから遠くは白山、八ヶ岳、乗鞍岳等の山々が見渡せ、今回のハイライトをたんのうでき大満足だ。
今回もリーダーの北口さんを始め皆様のおかげをもちまして楽しく有意義な冬山を経験させて頂きました。ありがとうございました。
三谷