八海山と中ノ岳縦走
2001/10/6〜8

            松本

  どんな山かもよく知らずこの「八海山」という名前に引き付けられた。聞き覚えのある山名と思ったら日本酒の名前に同名のものがあった。

 今回は大崎から登る。途中、鹿?カモシカ?の威嚇の鼻息が聞こえた。 モリアオガエルの生息地を発見!先を急ぐ北口さんを止めモリアオガエルの池へ。
モリアオガエル

なんとそこにはモリアオガエルの変態 を同時に見ることが出来た。オタマジャクシ、 四肢の生えたオタマジャクシ、カエル、濃い青 緑色のきれいなカエルだった。 しばしここで生物の授業。
 そして女人堂へ。大休止後、水場の祓川へ。なかなか水の音が聞こえてこない。 ほんとに水場があるのだろうかと不安になりながら歩くと突然、水の流れる音が。川のように大量に水が流れているではありませんか。
川と名が付いているが川ではなく湧き水だ。標高の高いところにこんなに豊富に水がながれているとは。なんと なく神秘的な山。水を汲んで千本檜小屋に到着。

ザックをおいて八ッ峰へ。天候が怪しくなってきた。6つ目の摩 利支岳で引き返すことに。帰りは迂回路。途中水溜りが2つあった。あとで小屋のおじさんが言うには水溜りでは なく日の池、月の池といって薬草の成分が溶け出しているため腐らない水だそうだ。テントで坊垣さんが持ってき たビールで乾杯。天の川が見えてきれいな夜空だった。

 次の日、月の池で水を飲んでみたが、鎖を握っていたせいか鉄の味しかしなかった。段々日が昇り、辺りに緑、 赤、黄色の紅葉が眼前に広がった。
景色を見ながら細い道を用心深く歩く。ふと上を見上げると御月山の頂上に北口さんが…。(このほとんどの行程 がそうなのだが私の前にいるはずの北口さんはあっという間に見えなくなり、いつも私がトップを歩いていた。) アップダウンの激しい行程なので新人の網倉さんが疲れ気味。それを見た北口さん、忍者のように駆け下りてき た。休憩後元気を取り戻し中ノ岳手前の祓川へ。1つ目の祓川より水量は少なかったが冷たくて気持ちの良い水 だった。ここで網倉さん、水をがぶ飲みし元気復活。さぁ中ノ岳への登りへ。きれいに色づいた斜面。これを見て 北口さん「宮崎 ○のあれみたいやなぁ」と(○の部分は想像してください)。3人に沈黙が流れた。坊垣さん「宮 崎 駿でしょう」。  この中ノ岳の登りはきつかった。小屋に着くとすでにテントが設営してあった。 網倉さんが持参したフィルター抽出する本格コーヒーを頂いた。山の上で贅沢なコーヒータイム。この日の夜も天 の川の見える夜空だった。

  翌朝、天気は抜群。キャンプ地にいた人みんなカメラマンに変身。御来光と周辺の山々にシャッターを切った。 十字峡へ。しばらくすると足がひょろひょろに。急な下り。ここまで北口さんのお助け紐はお役目無かったのだが 最後の最後で私のザックを北口さんが背負うために役に立ったのだった。

 八海山と周辺の山々は多くの水を湛え、見渡す山々の沢には雪渓があり、山の形態は変化に富み、自然の雄大さを感じさせてくれた。
                        


網倉 豊

沢登り・岩登りを経験していなかったら、正直なところ、千本檜小屋から摩利支岳への行程はリタイアしていたと思います。

天候が怪しくて視界が悪く、眼下に広がっているであろう絶壁が目に入らなかったおかげで助けられた面もあるのですが、奇峰の全景を間近で確認できなかったことが少し残念です。

今回は、神戸労山に入ってから初めての泊まりがけの山行でした。そして、日帰り山行だとあまり気づかなかった水の重さを痛感しました。

にもかかわらず、みんな麓から重たいお酒も抱えて山に登るんですね。私は日本酒を持っていったのですが、これについては今後の教訓にしたいと思っています。これからはもっと軽くて済むウイスキーにしようと・・・。

きつかったけれど、泊まりがけのおかげで久しく目にしていなかった星や御来光を仰ぐ機会にも恵まれました。汗と一緒に日頃の不健康な膿みも流れ出たようで、心身ともにリフレッシュできました。また次に挑戦したいと思います。


                                   

                                     坊垣 美也子

最近出来るだけ人の少ない山を選ぶようになった。そうなると勢い信州の山以外になってしまう。越後の山々もその一つ。平が岳、越後駒、苗場山、標高は2000m前後で派手さはないがそれぞれに個性的な山々だった。今回は遠目にも個性的な八海山とこれをつないで中の岳まで、越後「二」山。

 八海山は「岩稜と鎖場」、「スリリング」な中の岳までの縦走路と、行くまではちょっと心配だったのだが、八海山の八ツ峰は空身で行けたし、縦走路も「こわごわ覗くと身体ごと吸い込まれそうな」オカメノゾキには笑わされるほど。ただし、最低鞍部からの中の岳への登り返しはきつくてリーダー以外の3人はヘロヘロ、代わる代わる足を引っ張りながらの登りになった。今回うれしかったのは少しだけ期待していた紅葉が予想以上に綺麗だったこと。緑と赤と黄色のつづれ織り、何度も感嘆の声を上げてしまった。八海山の岩稜が晴れていたらもっと良い写真が撮れたのにと、心残り。

 このコースは積雪期に縦走すれば面白いのではと以前から考えていたので、今回は雪があったらどうだろうと考えながら歩くことを心がけた。雪庇は?ここの下りは厳しそう、ここはロープがいるかな、この辺りはテン場に良さそう・・・・北口さんの考えも聞きながらあれこれ想像してみたが、当たっているかどうか。次回は是非雪の付いた越後三山を確かめながら縦走してみたい。

  ついでに・・・信州の山とは違って手元に十分な資料がなかったので、今回はいろいろなHPを閲覧して情報を集めた。小屋の混み具合やテント場のことなど有用な情報が得られてとても役に立った。私たちのHPも正確で役に立つ情報を発信したいものだ。