中央アルプス最高峰 木曽駒ヶ岳2956m  山行記録

                              神戸労山 黒田 記

平成14年4月29日(月)みどりの日 祝日 日帰り山行

 

平成14年 4月 30日

山域  中央アルプス

 

山名  木曽駒ヶ岳 2956m 往復ロープウェイ利用 ピストン山行

 

登山者 黒田雅雄  男−−才  血液型 −型  単独山行

 

日程  平成14年4月29日(月)7時〜14時 日帰り

 

行程  前日4月28日(日)神戸から自家用車で移動 登頂前夜は木曽駒ヶ岳山麓で野営 

当日4月29日(月)長野県駒ヶ根市 菅の台バスセンター駐車場に駐車7:00

    バス利用 しらび平7:50 ロープウェイ山頂駅千畳敷2612m地点8:10

    冬山装備着装後8:40出発 乗越浄土9:30 中岳10:00 

木曽駒ヶ岳山頂10:30着 山頂発11:00 千畳敷着12:15

 

緊急連絡先 1.本人持参携帯電話 ドコモデジタル 電話XXX−XXXX−XXXX

2.自宅 神戸市XX区XX町X丁目X−XX 電話XXX−XXX−XXXX

      3.神戸労山事務局長 XXXXさん宅 電話XXX−XXX−XXXX

 

下山報告  緊急連絡先 2.の自宅にします

 

登山計画書の提出 ロープウェイ山頂駅 千畳敷のポストを予定

 

装備  冬山用ヤッケズボン 冬山登山靴 12本爪アイゼン ピッケル セーター 雨具

    地図 磁石 呼子 ロングスパッツ オーバー手袋 手袋 ツウェルト ヘッドランプ

 サングラス テルモス ザイル7ミリ10m 簡易ハーネス カルビナ 時計

 救急セット(包帯傷テープ) 携帯電話 

 

食糧  行動食1食分 非常食2食分

 

回避ルート 当日悪天候または視界不良のときは 千畳敷近辺または乗越浄土手前で帰還する

 

 

1.山行前日に移動(神戸→駒ヶ根)

神戸より乗用車で前日4月28日(日)ゴールデンウィークで混むので、朝6時に出発 中央高速道

の駒ヶ根サービスエリア10時頃到着。西側にアルペン的にきれいな雪山 空木岳(うつきだけ)

2863mが気高くそびえる。東側は北岳を主峰として南アルプス北側の峰々が雪を頂いている。

駒ヶ根インターで高速道を降り、西へ5分程で明日車を駐車する菅の台へ。案内所で明日のバスと

ロープウェイの始発時刻を確認。バス7時12分 ロープウェイ8時発だった。夏になると6時から。

中央アルプス観光のホームページで調べられます。私はこの日、菅の台から30分ほどの伊那の箕輪

町樽尾沢キャン場(無料)でテント泊し。日帰り温泉の伊那市みはらしの湯で山を見ながら入浴。

(駒ヶ根には駒ヶ根高原家族旅行村キャンプ場があり1張4,000-で利用出来ます。)

 

2.当日千畳敷に着くまで

4月29日はまぶしいほどの快晴。テントを片付け菅の台へ向かう。6時半過ぎに到着。もうバスを

待つ人がいる。一番前は中央アルプス山岳指導員の方が7〜8名 ネーム入りヤッケに腕章ですぐに

解る。7時にリーダーらしき人 うちの労山の事務局長さんに似たタイプで年輩のヒゲのおっちゃん

でも山の経験豊富そうで面倒見良さそうな山の指導者からバスを持つ人に注意があった。7〜8割は

スキーヤーやスノーボーダーまたは千畳敷まで観光で行く人と、後2〜3割は登頂を目指す登山者。

千畳敷カールから上に行きたい人は10本爪以上のアイゼンとピッケル装着冬山装備の方で登山届

を提出した人を対象とします。今年は我々登山指導所の注意を聞かずに登山し滑落や遭難でこの山に

8人の人がまだ雪の下に眠っていると話されました。滑落が一番多い。十分気を付けよう。

定刻にバスが来て40〜50人が乗り込む。急カーブの連続40〜50分かかるので立席はだめで

補助シートが一杯になったら次のバスにして下さいとアナウンスがあったが全員乗れた。バスは8時

前にしらび平1662m地点に到着 8時発の始発ロープウェイで山頂へ8時10分頃千畳敷駅着

快晴のため 南アルプスの山々がきれいに見える。はるか遠くに小さく富士山も見えるらしい。

これから登る中央アルプス方面も宝剣岳2931mや和合山、伊那前岳と並び、アルペン的な非常に

きれいな眺めだ。8割の雪に2割の岩 まだらなところが山並をより美しく見せる。ロープウェイの

山頂駅からでも十分に中央アルプスの山並の景色は楽しめるようだ。

 

3.いよいよ木曽駒ヶ岳 山頂に向かって登頂開始

事前に用意していた登山計画書を登山指導所に提出、面談を受ける。コースは?日帰りで駒ヶ岳山頂

ピストンです。宝剣岳方面に行かれますか?行きません。冬山の経験は?2年です。(昨年12月よ

り足掛け2年だが)今年の冬山はどこの山にいってますか? 大山へ行ってます。 装備は?冬山用

プラブーツに12爪アイゼン、ピッケル、ハーネスにザイル10m OKです 気を付けて行って来

て下さい。冬山情報の冊子をもらう。宝剣岳中岳から山頂への木曽側(西側)は斜面がクラストして

いるので転落滑落に注意との事。バス乗り場で説明してくれたヒゲのおっちゃんが笑顔で見送る。

8時40分頃にアイゼンとロングスパッツを付けて頂上に向け出発する。冬山用ヤッケは晴天で暑い

ので歩き初めですぐ脱ぐ。千畳敷カールは春山スキーの人やスノーボードをしようと数人がいる。

始発なのでこれから混んで来るだろう。千畳敷カールから八丁坂、オットセイ岩から乗越浄土まで

斜面は数学の放物線や双曲線のように上に行くほど傾斜が急になり、転げ落ちると大ケガをしそうだ。

上に行くほど雪も固くなり、ピッケルを力強く差し込み、しっかりとつま先からキックステップで足

場を確保しながら登って行く。アイゼンを付けた両足と右手のピッケル3点のうち2点をしっかり確

保し後1点を気を付けてバランスを取り移動させる2点確保で。前を見るとだんだん急坂になる。

 

4.稜線に向かって八丁坂を登り、山頂へ向かう

八丁坂の中間位 オットセイ岩の下の窪地に指導員が3人いて、アイゼンとピッケルのない人や体力

的に無理な人はこれから上に上がらないよう指導している。私は暑くて上着はヤッケも登山シャツも

脱ぎ登山のTシャツ1枚 でも下は重装備でタイツにジャージのズボン、オーバーズボン、ロングス

パッツ、3枚は暑いよな。指導員の人と話をすると、風もないし晴れているから、じっとしてるい我々

も今日は2枚、下3枚は暑いでしょうと言われた。でもこんな急坂で脱げないし、がんばって登りま

しょう。

オットセイ岩を過ぎて、後半分、滑落しないよう気を付けながら八丁坂を登り切り、出発してから

約1時間弱位で稜線に出ました。宝剣岳は裏側西面の方が岩面が丸みを帯びていてきれいだ。イタ

リアのドロミテみたいな感じ。宝剣岳山荘は開いていて何人かの雪焼けした男たちがいる。どこか

の山岳会か2つほどテントを張っている。近くにいた人にカメラのシャッターを頼み記念写真を撮る。

小休止後 駒ヶ岳頂上目指し 天狗岩から中岳を目指す。まだ駒ヶ岳頂上は見えない。中岳に登る

と木曽駒ヶ岳頂上が見えた。せっかく登ったのに急坂を下る。その後はなだらかな登りのを歩くと、

後は山頂までは最後のやや急な登りだ。西側木曽側に行かぬよう東側伊那側を登行する。ガスが出て

ホワイトアウトになると木曽側に転落滑落するらしい。今日は快晴の天気で風もなく、視界も良くて、

ゆったりとした気分で山頂に辿り着いた。10時30分到着 8時40分発2時間弱の登行であった。

 

5.山頂到着後 展望の良さにおどろく

木曽駒ヶ岳の山頂は最高峰だけあって、視界がとても良い、西隣に御嶽山が間近に見える。その北側

に乗鞍岳、穂高、槍ヶ岳が雪もなく三角形にとがってきっちり見える。その北側は白馬山系である。

東側は北岳を中心とする南アルプスの山々が見渡せる。快晴で風もないがじっとしてると肌寒い。

リュックに付けた温度計を見ると正確ではないが0度近くの氷点下のようだ。近くの人にシャッター

を頼み登頂記念とする。ロープウェイ利用とは言え、初めての3000m級の登行だ。最後の登りで

少し汗をかいているのでじっとしていると寒くなってきた。Tシャツの上に登山シャツ、薄手のフリ

ース、薄手のヤッケを着て調度いい。レイアード薄地重着(4枚重ね着)が気持ちいい。吹雪くと随

分寒いだろうな。そのときは冬用ヤッケがある。ビールより熱燗の方がいい感じかな。一緒に登って

きた人もコンロでお湯を沸かしてコーヒーをおいしそうに飲んでいる。駒ヶ岳神社に参拝。小さなお

社だ。前に何かの神技か木の枠に三方白板で方位を表したものがある。まだ新しい飾りだ。さてさて

わたしもテルモスの暖かい飲み物とおにぎりとソーセージ、チーズ、パンなどを食べる。十分に景色

と山頂での簡単な食事をし30分ほど過ごす。まったくの快晴だった。春山はサングラス必ず着用だ。

 

6.山頂より千畳敷に向かって下山する

天候と視界に恵まれたため、冬山初心者の単独行であったが、快調に山頂を極め、登頂の満足感と

展望の景色に感激しながら、これからも山に来たいと思う。単独行でなければ30分位で登れるので

宝剣岳も行ってみたかったが次回の楽しみにして、11時山頂より下山、登りは差ほどでもなかった

が、下りの方が前を向いているので急坂に感じる。しっかり下りはかかとでキックステップ、ピッケ

ルで支点確保して下る。最初に登った千畳敷から乗越浄土までの八丁坂でオットセイ岩までの下りは

特に急坂だ。女の人が下るのに苦労している。指導員の人が指導し、同行のザイルを持った人が

ザイルを出し確保して20mづつ降りだした。遅いので私は気を付けて横を追い越す。下から11m

m位の太いザイルを肩にかつぎ、真っ黒に雪焼けした山男2人が登って来る。宝剣の岩壁でも登るの

だろうか?足もとはゴム長。うちの労山のAさんやSさんみたいにタフな人どんどん急斜面を上がっ

て行く。いろんな登山者がいるんだな。そうこうして千畳敷カールまで降りた。12時15分だった。

朝とは違い大勢のスキーヤーやスノーボーダーでにぎやかだ。山頂駅に戻り、早く戻ってきたのか山

頂の天候や雪の状態、人の数とかを登山指導所の方から聞かれた。今から登頂する登山者もいる様だ。

頂上から中岳への下りもホワイトアウトと進路を見失い木曽側へ滑落する事故があると話された。

いまの時間は天候、風ともに大丈夫。千畳敷ホテル内(関西の人には比良ロッジを少し豪華に大きく

した位の施設)や展望テラスは人で一杯。ロープウェイも通常20分間隔を8分間隔で運転している。

12時28分の便で降りる満員だった。山頂駅までの人も雪山の景色と展望に満足している様子だ。

 

7.しらび平から菅の台駒ヶ根へ

ロープウェイから連絡バスに乗換え、駒ヶ根へ、途中1車線のくねくね道のため、無線連絡で待避所

で待機し何本もの満席臨時バスと待機すれ違う。13時20分菅の台着。地ビールやソース豚カツ丼

のレストラン、日帰り温泉等がある。車で5分 早太郎温泉こまくさの湯 500円等があります。

私は前から行きたかった某日帰り温泉(天竜村のおきよめの湯‥遠くて参考にならない)に立ち寄り、

駒ヶ根名物ソースとんかつ丼と馬刺を食べ。帰神しました。

 

参考データ

神戸→駒ヶ根(名神、中央道)  高速料金 片道7900円 350km 4時間半

駒ヶ根→菅の台バスセンター   車で5分 駐車代 1日400円

バス 菅の台→しらび平     片道 800円 往復1600円 40分

ロープウェイ しらび平→千畳敷 片道1100円 往復2200円