槍ヶ岳縦走山行記録


 

山行期間:2002年9月26日(木)〜9月29日(日)

山域ルート:北アルプス (上高地〜槍ヶ岳〜槍平〜新穂高)

山行目的:縦走

参加者:尾崎、楜桃田、井上、長浜、名児耶、一般(森内)

上高地、槍ヶ岳、奥穂、前穂、上高地の予定であったが、天候悪化により、ルート変更して南岳より新穂高側に下山した。 

第一日目 9月26日(木)

午前6時40分、JR三宮駅前ロータリーより、乗用車一台で出発。 名神高速より東海北陸自動車道を通り、飛騨清見インターを降りる。飛騨高山市街地を迂回し、正午前に平湯温泉に到着。 バス代より安くしてくれるということでタクシーにて12時40分頃、上高地に入る。 曇りではあるが、雲は高く薄く、焼岳、穂高連峰がくっきりと見える。 上高地バスターミナル上の食堂で岩魚定食等の昼食をとり午後1時30分に出発。 小梨平キャンプ場のカラマツもケショウヤナギも色ずくにはまだまだ早い様子。 梓川の対岸にそびえる明神岳と前穂高岳の岩峰を眺めつつ上高地の森中を歩き、午後4時頃横尾に到着。 井上さん手製の豚角煮や卵スープで豪華な夕食を楽しむ。 ウィスキーを飲み、眠くなったものから順にテントの中に転がりこむ。 

第二日目 9月27日(金)

午前4時30分起床。 曇り、しかし前日同様、山々がはっきりと見える。 雲のおかげか寒くもない。 朝食、テント撤収を終え午前6時20分出発。 二股のあたりから傾斜が上がりだす。 槍沢ロッジから初めて槍ヶ岳が見える。 徐々に沢が広くなると左側から大喰岳、中岳が見え始め高山気分が高まってくる。 このあたりでも何匹かのニホンザルを見る。 昨日、上高地で見た群れとはまた別のものだろうか。 残雪は上層部にほんの少し見えるだけでほとんどない。 最後の登りを終え正午少し前に全員が槍の肩に到着。 ザックをおろし槍の穂先に登る途中、上の方から待機の連絡が来る。 まもなく爆音とともにヘリコプターが現れ、頂上にあった工事資材をぶら下げるとあっという間に飛び去っていった。 頂上からは素晴らしい展望を楽しむ。南アルプス、八ヶ岳、浅間山、鹿島槍、剣、薬師岳、白山、乗鞍岳と360度大パノラマ。 予定よりも早く槍ヶ岳についたので、翌日からの穂高縦走に余裕を持たせる為、南岳まで歩くこととする。 大喰岳、中岳を通り、午後4時頃南岳のテント場に到着。 ザックをおろして少し先まで行き、大キレットを上から眺める。 雲がその上を豪快に流れて行くのが見える。 雨が降り出したので夕食も早々に終え、7時頃よりテントの中で寝始める。

第三日目 9月28日(土)

真夜中より風雨が強まる。 南岳小屋の風力発電装置がものすごい音をたて睡眠を妨害する。 朝になっても風雨の勢いはおさまらず、次の日も天気の回復の見込みが低いとの情報を得て、リーダーの尾崎さんがルート変更の決断をする。 風雨が少し弱まったところで午前8時ごろ岐阜県側の槍平に向けて出発。 1999年より槍平に抜ける登山道は変更となり尾根づたいの傾斜が少々きついルートとなっている。 下り始めて暫くして雷鳥を3羽見る。 ぬれた岩とハイマツの根っこにすべりながらダケカンバが混じる林の中に入る。 紅葉しているものもちらほら見かける。 槍平小屋を抜け、1230分頃、滝谷非難小屋に到着。 天気も小雨程度となる。 滝谷の上の方に大きな雪渓がある。 その冷たい沢の水で体や頭を素早く洗う。 おかずの足しにと沢蟹をさがすが全く見当たらない。 冷たすぎる沢にはいないのだろうか。 3パーティー程、小屋に寄って行ったが、夕方には、僕らのパーティーだけとなる。 雨は相変わらず降りつづいているが、沢の風景をより綺麗に引き立てている。 きんぴらごぼう、ひじきの和え物、マーボー豆腐に松前漬とまたまた豪華な夕食を取り、非難小屋の板間で寝る。

第四日目 9月29日(日)

午前5時頃起床。 雨はあがっており、夜が明けきれぬ雲の隙間から星が輝いている。 滝谷の上の方に北穂高岳と涸沢岳の間のドームと思われる岩峰が見える。 朝食をとり、午前820分出発。 穂高平小屋のあたりから槍、南岳、大キレットが後ろに見える。 実をたくさん落としたトチノキ林をぬけてやがて新穂高温泉に午前11時頃到着。 タクシーにて平湯温泉まで戻り、ひらゆの森の露天風呂で疲れと汚れを洗い流した後、神戸に向けて出発。 行きと同じ道を通り、午後9時頃JR三宮ロータリーに到着。 全員無事に山行を終えた。

 

穂高に行けなかったのは残念でしたが、槍頂上からの大パノラマや雨の滝谷の美しさを見ることができてとても良かったです。 また、一緒に穂高に行きましょう。                                   

(名児耶)

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