塩見岳

山行期間 :2003年1月3日(金)〜1月6日(月)

山域ルート :南アルプス (塩川〜三伏峠〜塩見岳 ピストン)

山行目的 :初、中級の冬山訓練

参加者 :CL河合、M名児耶

塩川〜三伏峠〜塩見岳ピストンの予定であったが積雪量が多い為、三伏峠までのピストンとなった。

第一日目 1月3日(金)雨

15:30 西宮浜にて河合さんと合流。 名児耶車で出発した。 名神高速は帰省帰りの渋滞が茨木で30kmとの情報を得たので、ルート変更。 阪神高速湾岸線を経由して名阪自動車道を通り中央自動車道に向かうこととしたが、同じように渋滞していた。 恵那峡PAで夕食をとる。 当日は、二つ玉低気圧の通過による激しい雨が降っていた。

20:00 座光寺PA着。 車中泊。 

第二日目 1月4日(土)雪

05:00 起床。座光寺PA発。 松川ICにて高速をおりる。

06:30 大鹿村着。 スノータイヤをつけていたが、新雪ですべる為、駆動輪にチェーンを装着する。 しかし、まだすべる。 途中、チェーンがきれて応急処置に手間取る。 鹿狩りと思われる人々の車が通り過ぎ、その轍を利用して何とかのぼるが、樺沢小屋の手前で車を停めて、そこから歩くこととする。

08:50 樺沢小屋出発。 標高1200m付近。 林道を歩く。 曇りと少々の雪だが時折晴れ間が見えた。 途中、登山者のものと思われる車が3台停めてあった。 1人の下山者に会う。 雪が深くて三伏峠までしか行けなかったとのこと。

10:30 塩川小屋着。 登山届を提出する。 塩川の沢沿いを進む。 4人の下山者と出会う。 やはり、雪が深くて本谷山付近までしか行けなかったとのこと。 1月1日以降は2人組の1パーティーのみ塩見岳に到着出来たらしい。 三伏峠〜塩見岳間の行きはトレースがあったが帰りは雪で消えてしまいかなり手間取り15時間かけての往復になったとのこと。 4人の下山者と別れ、沢から道が離れ始めると同時に傾斜も上がり始める。 積雪も足首より上となる。 雪がさらさらの為よくすべる。 1人の写真家が下山してきた。 三伏峠にはもう人がいないとのこと。 また三伏峠以降はトレースが全くなく、腰上以上の積雪との情報を得る。

14:00 行動終了。 標高1900m付近の樹林帯に幕営する。

18:00 就寝。 風雪が強くなり一晩中テントをゆらす。

第三日目 1月5日(日)雪

05:40 起床。 風雪が続いているが明るくなってくると同時に弱くなる。 

09:15 出発。 さらさらの積雪ですべる為、朝からアイゼンを装着する。 昨日6人の下山者がつけてくれていたトレースがわずかに残っているが場所によっては全く無くなっていた。 膝下から腰上の急な傾斜のラッセルが続く。 途中、ワカンに付け替えてみるが傾斜があり雪がさらさらとすべるのでかえって歩きづらくすぐにアイゼンにつけ直す。 雪が降っているが樹林帯の中にいるためか風はほとんどない。

15:30 三伏峠冬期非難小屋到着。 標高2600m付近。 非難小屋内に幕営する。

19:00 就寝。 雪は降りつづけているが風はない。 目を閉じても開いていて真っ暗でなにも見えない。 河合さんの寝息だけが聞こえる。

第四日目 1月6日(月)快晴

04:00 名児耶トイレ起床。 外に出ると満天の星空。  塩見岳と思われる山陰が大きく見える。 寒さを忘れてしばし見とれる。 北西の方向に街のものと思われる光が見える。 予定より早いのでもう一度シェラフにもぐりこむ。

05:15 起床。 積雪量が多いので7日の予備日を使ってもあと一泊で下山することは不可能。 荷物を軽くしてせめて本谷山あたりまでピストンして下山することとする。 

08:00 本谷山に向けて出発。 小屋前でいきなり腰上のラッセル。 この状態では本谷山をピストンして下山するのに時間がかかり過ぎると判断。 下山道もラッセルが予想された為。 これ以上先に進むことを断念する。 小屋の周りで暫く展望を楽しむ。 北東に塩見岳、北北東に間ノ岳、北岳、仙丈岳、甲斐駒ヶ岳が縦に並んでいる。 どの山も白く大きくどっしりとしている。 去年、河合さんが2月に同じ山々を見たときよりも一際雪が多く白く美しいとの事。 北西の方向には中央アルプスの山々が見える。 北アルプスと思われる方向には雲があった。

10:00 塩川に向けて再度出発。 下山を始めるとすぐに救助ヘリが何度か上方を通りすぎる。 樹林帯の少し開けたところで塩見岳の展望を名残惜しんでいると今度は頭上を旋回し始めた。 救助要請者と勘違いされているようなので急いで山を降り始めて元気であることをアピールする。 昨日のトレースもかなり薄くなっていた。 そのかわりにウサギやキツネやシカの足跡がたくさんあった。 天気の回復を待って生き物たちが活発に動き出したらしい。 鳥の声も聞こえる。 さらさらの雪が丁度よいクッションとなり軽快に下ることが出来た。 沢に合流する手前で一人の登山者と合う。 腕に動物の毛皮を巻きつけた猟師さんのような出で立ちだが、何回かに分けて荷揚げして何日かけてでも塩見岳山頂まで行くつもりだと言われていたことを思い出すに、多分、写真家だと思われる。 林道に入り暫くすると2匹の鹿に出会う。 こちらに気づかずに一生懸命に何かを食べていた。 音を出して近づくとあっという間に急な斜面を駆け上っていった。 木の葉が落ちているため、走り去る様子が良く観察できた。

14:15 樺沢小屋近くの駐車地点に到着。 鹿塩温泉で汗を流した後、車で出発。

21:00頃 西宮着。 解散。 無事に山行を終了した。 

今回の学習点

1) テルモスは、500mlでOK. 1000mlは嵩張るし、重すぎた。

2) 初日は、生野菜等を持って行き、鍋ものにした方が楽しい。

3) 乾燥うどんは塩分がきつ過ぎるので味付けに要注意。

4) NTTドコモは、鹿湯から三伏峠にかけて全くつながらなかった。 南アルプスの山域は観光開発があまりされていないので電波が届きにくいのかもしれない。

5) 手袋は地面に置かない!! 出発準備中にアイゼンでオーバーグローブを踏んで穴を開けてしまった。 また、いざという時のためにオーバーグローブの予備も会った方が無難。

6) 冬山も思った以上に喉が渇いた。 山に登る前に必ず飲み物をザックに入れること。

7) 飲食用及び暖房用でガス燃料を2人で1日に約1本分使用した。 予備日の分も忘れずに。

8) 3日と4日は、二つ玉低気圧の影響による雪で風を伴っていた。 5日は、強い冬型気圧配置の影響による雪だったがあまり風は吹いていなかった。 6日は冬型が少し弱まり南アルプス山域は快晴となった。

最後になりましたが、河合さんをはじめ冬山教室を準備し開催して下さった諸先輩方に感謝します。 今回、本格的な雪山に初めて登りました。 塩見岳山頂までは行けませんでしたが、素晴らしい景色を堪能することができ、また寒さの中でのテント生活も経験することが出来ました。 とても楽しかったです。 またこれからもよろしくお願いいたします。

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