やっぱり楽しい!!

沢登りって、ドキドキ!わくわく!がいっぱい!

〜鈴鹿・神埼川赤坂谷〜

日  時:2003年9月23日(祝) 曇りのち一時晴

パーティ:L丸尾、江本、尾崎、黒田、宮永、澤田、西

地形図 :1/25000図 御在所山

感想と記録−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

西 

「西山谷」「比良・安曇川奥の深谷」に続き、私にとっては3回目の沢登りです。
一週間前に北アルプスに行っていた私の身体(顔)は、浮腫みでひどい状況でした。
23日までになんとかしないと沢登りに行けないぞ!と焦りました。(こんなボロボロの身体
で普通行くか!?と思うのですが、とにかく沢登りはとても楽しいのです!)

なんとか参加できる身体になり、当日、朝6時に名谷駅に集合。
4時過ぎに起き名谷駅に行き、尾崎さんの車で丸尾さんと3人で出発。
大津SAで江本号の4人と合流し鈴鹿に向かいました。
沢が近づいてくるにつれ、心配していた天気も空がだんだん明るくなってき、ワクワク気
分になってきました。途中コスモスや蕎麦のお花畑もあって、緑の風景がどんどん広が
り「これからどんな風景に出会えるんだろう?」と心が踊ります。

車で沢に下る本当に手前まで入り、身支度を整え必要なものだけザックに詰め沢に下り
ました。
ここニ・三日で急に秋の気配が感じられるようになり、ちょっと寒いかな?と、みんな心持ち
厚着です。
入口は、ゴーロで大きな白っぽい石が全体の風景を明るくして、とてもきれいです。
私にとって奥の深谷の印象は「釜」であったのに対し、赤坂谷はゴーロとナメやナメ滝で
した。

いよいよ沢登りスタート!

リーダーの丸尾さんを先頭にどんどん進んでいきます。私も迷わず沢の中に足をいれま
した。水は思ったより冷たくなく、とてもきれいで、たくさんの魚が泳いでいました。
沢を登るにつれ、どんどん風景も変化し、とってもしあわせな気分になってきます。
大きな石を登ったり、滑らないかな??と思いながら石から石へ飛び降りる瞬間、落ちる
かも?という緊張感の中、淵をへつっていく瞬間、滝の水が目に入っているのに上を見
上げながら登っていくしかない滝……。一つの滝を登りきって顔を上げると、また目の前
に大きな滝が出現していたり、もう楽しくって仕方ありません。

滝を登る楽しさ、滝を登ったら今度はどんな風景がひろがってるんだろう?というワクワ
ク感。
大きな自然の中で、いくつものドキドキやワクワクを体験できるのが沢登りです。
私は緊張感を持ちながら沢登りを楽しむのですが、どうしても風景にも目を奪われてし
まいます。そして足が止まってしまうのです。
みんなはどんどん進んでいきます。ただでさえゆっくりペースの私が風景を眺めていた
りしてはいけないのですが…。それに風景を眺めながら沢登りをするのは危険です。そ
れでもやっぱり風景も眺めたいのです。ここら辺が難しいなぁ…と思います。

今回はちょっと地形図も勉強しました。

地図上では神崎川発電所から仙古谷を登っていくと、途中二俣に分かれていて一つが
赤坂谷、もう一つがカシラコ谷になります。
沢が二つあるところに着たのですが、標高(高度)などを考えると(高度計のついている
時計をもっている人が3人いました)それは地形図に書かれている沢筋ではないという事
になりました。丸尾さんは地形図のここに沢筋をかいておかなければいけないな…と言い
書いていました。
ふーん、こんな風に「高度計」や地形図をつかって沢登りってしていくんだ!と少しわかっ
た気がしました。
座学の時は、全くどんな風に地図を見るのかイメージができませんでしたから…。
そして地形図で書かれている沢筋は、結局水がまったくない状況でした。
もっと地形図も読めるようにならないといけないな…と思うけど、今は沢登りを楽しむ事に
重点をおこう!!と思っています。(怒られそうですが…)

途中いくつかの釜もあり、黒田さんと澤田君は泳いでました。私もちょっと泳ぎたいなぁ・・
と思ったけど、寒いかな?と思い止めました。(ちょっと後悔です)
でもシャワークライムは楽しみました。私は水の飛沫を浴びながら滝を登るのがとっても好
きです。

お昼は焚き火をして、その傍でお昼ご飯を食べました。
自然の中での焚き火は初めてでした。
結構火はすぐにつきました。(さすが慣れてる!って感じです)
黒田さんはシーチキン缶や納豆を持ってきていました。(なんかすごい!!と思いました)

沢登りをしている時はあまり感じませんでしたが、やっぱり寒かったです。
火の近くで濡れた服を乾かしました。ちょっと離れられないなぁ…・と思いながら火に手を
かざしていると、「後10分で出発するよ!」と丸尾さんに言われてしまいました。
今回初体験の焚き火にも感動!!でした。

それから、少し沢を下降して途中から登山道に出ましたが、登山道はあまり整備されてお
らず歩きにくかったです。(最近の地図では廃道)
最後はこれも初体験の「ヤブこぎ」をしました。
イバラの木に行く手を阻まれ大変でした。
でもこれも初体験なので「ああ、これがヤブこぎかぁ…・」と、単語の意味が少し理解でき
た気がしました。

後ろでサポートし、いろいろアドバイスをしてくれた尾崎さん、どうもありがとうございました。
とっても楽しい沢登りができました。怪我もなく下山できて良かったです。


コースタイム

林道(車駐車)855→仙古谷出合910→斜滝6m1000/1010→右岸枝谷出合1025→

二俣1100→標高720m地点、溯行打切り(昼食、焚火)1200/1250→二俣1320→

右岸枝谷から登山道1345/1355→林道(車駐車)1435


宮永 

 去年初めて沢を歩き、大好きになった沢登り。晴れてくれるよう祈りつつ、まだ夜の明け
ない4時過ぎに家を出る。6時に江本車のメンバーと合流し鈴鹿へと向かう。モミジなどの
広葉樹の茂る山道の脇に車を停め、身支度を整えていよいよ出発。今年になって初めて
の沢登りに、とってもワクワク!

 山道から沢へと下るが、上で水がせき止めてあるそうで、水が少なく大きな石のゴロゴロし
た広い河原のようなところを、足元に注意しながら歩いて行く。やがて水音が聞こえだし、澄
んだきれいな水の流れが見えてきた。水の中を歩くのは、やっぱり快感。ちょっぴり緊張し
ながら、慎重に足を運ぶ。広くて、大きな石が多く、太陽のあたたかい光が射す開けた感じ
のする沢だ。少し肌寒くなってきた頃なのでちょうど良い。見上げると、木々の葉は光に透
けて、新緑のようなやわらかな黄緑色に輝いている。水の流れの真ん中を歩き、大自然に
とけこんでいくこの感じ!これぞ沢登り!

小さな魚が泳ぐのが見える。たっぷりと水をたたえた深い緑色の水の中は、腰まで浸かった
り、岩壁にへばりつきながら渡渉していく。しかし、みんなが上手に渉って行くのに私はなぜ
か水に落ちる。アップアップしながら岩壁に手を伸ばし、這い上がろうとするが、すべってな
かなか上がれない。しばらくもがいた後、冷静になって水中に足を伸ばすと・・・足がつくでは
ないか!

絵 宮永

そんなことを何度か繰り返し、苦労して岩壁にへばりつくより水中を歩いた方が安全と、開き直
って腰まで濡れながら、夏の終わりの沢を満喫した。

上流につき、木の枝を集めて焚き火をする。水から上がれば肌寒い中、暖かい火はとてもありが
たい。煙の匂いも風情があり、これでお魚でも焼いたら、さぞおいしいだろうと思った。いつまでも
あたっていたいが、そうはいかず、下山を開始する。

山道を下りるのかと思ったら、来た沢をどんどん下っていく。広くて見通しは良く、傾斜も緩やか
ではあったが、沢を下るのはなかなか難しい。何度も岩に手をついて体を支えながら、全神経を
集中させて下ったので、とても疲れた。そして最後は藪コギで、チクチクと薔薇の棘の猛攻撃を受
けながら車道へと這い上がり、沢登りは終了した。楽しい沢の余韻として、この後2日間、上腕の筋
肉痛を味わうことになる。

 木々に覆われた木陰の沢、緑の苔の生えたみずみずしい沢、光の射す明るい沢、

沢それぞれに感じが違い、それぞれに趣がある。紅葉や雪景色など、四季折々の沢も、さぞ美し
いことだろう。新しい風景に出会うたび、そしてそんな中をみんなと楽しく歩くたび、また沢が好き
になる。

 山歩きをはじめてから、身近な自然に心をとめられるようになったのも、とても嬉しいことである。

私の部屋から見える、紫〜ピンク色に染まる夜明けの空、燃えるような夕焼けの空、そして風が運
んでくる季節の匂い・・・。忙しい日常の中で、そんな何気ない自然に心を癒されると、また少し元
気が湧いてくる。