西日本最高峰 石鎚山1982m(初級冬山教室 修了山行) 

                小川 記

初級冬山教室 修了山行は、以前から行きたかった石鎚山に決定し、その日からとても楽しみにしていた。

8:00に石鎚山登山口駐車場につき、用意をはじめた。前日から降っていた雨はやんでいたが、くもり。気温も高いのか、とても暖かい。ロープウェーに乗って、成就駅まで行き、いよいよ山行が始まった。しかし、雪山山行とはいかず、雪の少ない道が続く。雨が降りだした。参拝者休憩所で、衣服の調整をし、ザックカバーを付けた。石鎚神社の前を通り過ぎ、いよいよ山に入っていく。高度が増すにつれて、雨が雪に変わり、少しずつ雪も多くなってきた。1415m地点あたりで、ストックからピッケルに変える。どんどん急な坂になり、雪も増え、どんどんどんどん上に向かって歩くのは、とても楽しくてしかたがない。12:20に二ノ鎖小屋到着。もっともっと歩きたいくらいだった。

二ノ鎖小屋で、みなさんとお茶を飲んで、休憩した。展望は、よくない。すぐ前の峠が時々見えるほどである。結局、明日の朝、山頂へ行く事になった。

暗くならない内に、テントを張ることになった。風が強く、手もかじかむ。マット2枚、テントカバー、ポールカバーを持ってテントを広げようとし、テントカバーとポールカバーを風で飛ばしてしまった。MNさんがその飛んでしまった2つのカバーを雪の中を掻き分け、取りに行ってくださった。どうして、マットをテントの中に入れて、カバーもポケットに入れてから作業をしなかったのか、とても悔やんだ。以後気を付けたい。

食事は、小屋ですることになり、おなべを囲んでみなさんと楽しい時間を過ごした。その2〜3時間の間で、急に冷え込み、雪が降り、風がきつくなった。17:00頃外に出ると、ずっとガスで見えなかった景色が、信じられなくらい、すばらしい景色になっていた。ガスが一気に消えて、前方の山々には雲海が・・・まわりの樹木も到着した時よりも、もっとしっかりした樹氷らしい樹氷になり、とても綺麗。そうだ、この一瞬の感動を得たいから、山に登りたいんだということを思い出す。この時ばかりは、寒さに弱い私も寒さを感じなくなるから不思議だ。

冬山での初めてのテントは、起きていると割と暖かい。だが、寝ると体の芯から冷える。寒くて、ぐーっと奥歯を噛み締めてしまう。なかなか寝つけなく、ちょっと寝れたかなって思って時計をみると、5分しかすすんでいない。早く朝が来ないかとずっと朝を待っていた。でも、少しずつ体がなれてくるのか、2〜3時間は寝ていたようだ。朝が来た時は、もう少し寝ていたいと思った。

荷物の整理をして、山小屋に上がると、もう朝食の用意をしてくださっていた。空が明けて、辺りを見ると、眺望はあまり良くないが、一晩でまた雪が積もり、昨日よりももっと冬山らしいすばらしい雪景色だった。「あたり一面銀世界」とよくいうが、本当にその通りだ。天気は良くないが、あたり一面の雪が眩しい。このような景色は、日帰り山行では、味わえない。本当に来て良かった。

本日の山行について、変更することになった。雪崩の危険性もあるということで、最初予定していた土小屋周りのコースは変更し、山頂に行き、昨日登ってきた道で下山することになった。

テントを片付け、山頂に行く用意をした。

アイゼンを装着し(私はハーネスも付けて)、山頂へ。8:00到着。−9℃。展望無し。9:00まで待ってみることになった。山頂の祠の下側に、狭いがとても綺麗な避難小屋があり、そこに入って待つ事に。小屋の中といっても、すごく寒い。この寒い中、そんなに待てるかなぁと心配だった。でも、その小屋の中でみなさんとお話しながら、待っている1時間はあっという間だった。「ガスが一瞬でも、のいてくれますように」と祈ったが、とうとう景色は見れなかった。下山することになった。

下山中、ところどころ氷の所があって、緊張した。MNさんが、「ここはすごく滑るから気を付けて」など声をかけてくださって、後には会長がいてくださって、一歩一歩慎重に安心して歩くことができた。下りが苦手な私に合わせて歩いていただき、本当にありがとうございました。

 

 今回の修了山行では、冬山での生活、荒天など、日帰り山行では経験できない多くのことを学んだ。あいにくの天候であったことは残念だが、冬山修了山行としては、いい機会であったと思う。

CLの河合さん、SLのみなさま、良い山行をさせていただいたこと、心からお礼申し上げます。冬山の生活はとても厳しいものでしたが、多くのことを学ぶいい機会になり、そして、みなさんと共に楽しい時間を過ごすことができ、とても充実した2日間でした。

本当にありがとうございました。

今後も、どうぞご指導くださいますようお願いいたします。

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有意義だった冬山教室

==グルメツアー?に大満足== 

 島田 記   

 石鎚山には、これまで行ったことがなく、以前から行きたかった山だったので、非常に期待していた。

まず、石鎚山への交通手段について、船で行くとは思ってもいなかった。確かに、費用面や夜ゆっくり眠れて、しかも風呂も有りということで快適だった。良い交通手段だと感心した。

22時30分に神戸元町をサンフラワー号で出発。小雨の松山港には6時に到着。石鎚山のふもとへは江本さんの車に同乗したが、私の車にはない「ナビの画面」に釘付けになり、知らぬ間に石鎚山のロープウェイ駅に8時に到着。この間、自分の頭には松山と石鎚との位置や道路関係などが全くの空白。これでは、頭が「アホ」になりそうで、「ナビ害悪論」を確信。車を買い換える時は絶対「ナビ」は付けないぞと固い決意。

ロープウェイ駅でも小雨のため、雨具姿で出発。8時40分発のロープウェイで標高1300mの成就駅に10分弱で到着。ここでもやはり小雨。雪は道路わきにチラホラ程度。成就駅から30分で石鎚神社成就社に。.拝殿のところまでは行かず、鳥居のところで山行の安全を祈る。附近には数件の旅館があった。

ここから、相変わらずの小雨の中、緩やかな下り(八丁坂)を歩く。雨でなく雪であれば、濡れなくて済むのにと天候をうらむ。20分ほどで八丁の鞍部を通過(刀掛への分岐点)。

ここから少し行くと登り口にさしかかる。丁度そこには屋根付前面開放の休憩所があり、そこで休憩。まだ小雨。前社森を経て、夜明け峠(土小屋への分岐点)に11時25分着。ここには当地の表示を間違えている営林署の案内板がある。この附近から小雪に変わり、やれやれと思う。ここから15分程度登ると無人小屋があり、ここをサイト場の「二の鎖小屋」と間違え、20分程度ロス。しかし、ここから10分ほどで「二の鎖小屋」に12時10分到着。

2軒の小屋があったが西側の小屋は使えない状態。東側の小屋の1階は前面開放の休憩所。2階には2部屋もあり、避難小屋としては十分な広さで泊まりも可能。

全員、この2階に集合し、リラックスモード。しかし、15時頃から吹雪始め、テント設営にかかるが風が強く、設営に苦労する。私のB班は風除けのため、雪ブロックをテントの周りに設置した。余分なアルバイトを強いられたが、その分、居住性は向上したと確信した。

小屋にもどり合同夕食会。夕食は予想外の豪華メニュー。キムチ鍋とは言いながら、具沢山の内容にびっくり。仕込みは大川さん、味付けは小川さんの両川コンビ。山では「粗食」をモットーにしてきた私にとって、家でも食べたこのないようなおいしいキムチ鍋に大満足した。

 夕刻、一瞬の晴れ間があり、石鎚山の東峰がくっきりと。また、遠く、瀬戸内海を越え、夕日に照らされた中国地方の山並みに感動がよぎる。

 テントに入ったのは18時20分。この頃は風もなく、皆すぐに就寝。ところが、朝方に私の耳が疼き出した。中耳炎の再来かと不安になる。原因を思えば、昨日の夕食会で感動のあまり大声でしゃべっていたためか、又は、鼻水を「フン」と力んでかんでいたためか。このままでは、また、鼓膜の切開になるかも!!等などの苦しい思いが巡る。

 4時に小屋集合だったので、3時40分に起床。リーダーの江本さんに体調不良のことを告げる。身支度を終えて小屋に集合したのが4時20分。集合時間に遅れたことに反省。外は15センチくらいの新雪であった。朝食は、オジヤとみそ汁うどん。これも十分な量があり満足。チーフリーダーの河合さんから本日のコースは変更し、来た道を戻るとの説明。自分としては、耳の具合の悪さからコース変更に感謝する。

 7時30分、アイゼンをつけ、空身で小屋を出発。途中、何箇所か鉄の階段があったが、その一部は手すりのところまで雪で埋まっていた。30分ほどで、石鎚山頂(1982m)に到着。山頂には神社があり、避難小屋(退避場所)も併設されていた。天候が小雪とガスだったため天狗岳が見えない。9時まで避難小屋で天候待ちしていたが、回復しなかったので下山。二の鎖小屋からは、昨日登って来たコースをそのまま戻って、成就駅には12時5分に到着。下の駅の近くで昼食後、帰り組と松山宿泊組に分かれる。

私は松山の道後温泉の宿泊組に参加。夕食会で皆が良く飲むのに、びっくり。皆、酒に強い!!

酒に弱い私は夕食後はすぐに就寝したため、同室の黒田さんの「ウワサのいびき」を聞きそこななった。船でも私の横が黒田さんだったが、いびきは聞かなかったと思う。 どうも黒田さんの「いびき」はガセネタではないかと今は思っているが・・・。

朝食では、ご飯のおひつを4回お替りしたので、従業員もびっくり。(ご飯の量がもともとすくなかった!)とにかく皆元気!。

午前中に松山城を観光している間、私は耳の調子がすぐれず、車で待機していたが、私のひそかな楽しみである「旅行時の1000円貯金」をするために近くの郵便局へ。山行や旅行した時にその近くの郵便局で1000円貯金をすると、記録が残り、記念になるので楽しい。

帰路は、しらなみ海道の途中、大三島にある四国一の大山祇神社に寄る。知らなかったがここには「義経」「頼朝」が奉納した鎧が国宝としてあった。今年、NHKの大河ドラマの影響で多くの人が訪れる前に拝観できて幸運だった。

山陽自動車道で一路、神戸へ。私は高速道路でも100キロ程度のスピードしか出さないが、平均速度が140kmの自動車に乗ったのは今回が初めてだった。まばたきをしない間に神戸に到着。江本さん、お疲れ様でした。

ところで、今回の冬山教室で幾つか学んだことがあった。

まず、気象についてである。今回の教室は1月の日程が延期されたが、その理由は強い冬型になると予想されたためであった。これは正確な読みであり、リーダー達の判断に感心するとともに、今後とも気象の学習を一層進める必要性を感じた。

装備の面であるが、自分が昭和40年代の装備の延長線上にいることを実感した。これまで山行ではそれで十分であったが、今後は装備を買い替える必要がある。ただ、雨具がオーバーヤッケ程度の機能を果たしてくれたのは、意外だった。性能がよくなっているためか。

食料について、これまで、2泊程度までは、夕食はレトルトのカレーにアルファー米を入れて食べ、朝食は、アルファ米のお茶つけ程度の「粗食」で、食器はコップ程度で済ましていた。大体、山を下りれば、手や顔がむくれていた。しかし、今回のグルメの夕食には食事の楽しさを教えられた。

(番外編)

家に戻ったら、家の鍵を持っていなかったことに気づき、17時30分から家人が戻ってくる19時30分まで西神中央駅の喫茶店で時間待ち。そこで、この感想文の下書き。有意義なひとときだった。家の鍵は必携!

この2日間はうどん程度の食事。急性胃拡張かと思うが、胃が重い。山の食事と下山してからの食事はまさにグルメだったので、調子に乗って食べすぎたためか、体重は3キロも増えていた。やはり、粗食にしておけばよかった・・。

冬山教室のリーダー、サブリーダーの皆さんや参加者の皆さん、本当にありがとうございました。