行動記録

記 小池

(神戸〜扇沢間の移動手段:自家用車1台)

4.22 21:45 須磨発(第二神明〜長野自動車道豊科IC)

4.23 3:00 扇沢ターミナル着 車中仮眠

     6:30 起床

     8:00 柏原新道登山口発(爺が岳南尾根経由)

     13:00爺が岳南峰直下(強風のため撤退)

     14:00爺が岳南尾根ジャンクションピーク付近着 幕営開始

     16:00幕営完了 食事

     19:00就寝

4.24 5:00 起床

     7:00 テント場発

     8:30 爺が岳南峰着

     9:00 爺が岳中央峰着

     10:30爺が岳南尾根ジャンクションピーク付近着

     11:00テント撤収

     13:30柏原新道登山口着

     14:00温泉

     21:00神戸着

(3)費用 一人当り約16000円

(4)雑感

 春山とはいえ、ひとたび荒れるとそこは冬山の領域となる。出発時は快晴であったが稜線上は雪煙が舞っている。頂上付近は強風が予想された。そして、午

後からの天候急変により、強風の中、耐風姿勢をとるが、容赦なく西風が身体に突き刺さる。サングラスが吹き飛ばされそうになる。あと少しで爺が岳南峰山

頂というところまで到達したが、そこから冷池山荘まで1時間余り、台風並みの強風の中を前進するのは困難と判断し、撤退を決めた。

 翌日、幕営したジャンクションピークから見る夜明けの山々は素晴らしい。一面の雲海、ほのかに赤く色付く後立山連峰、遠方には富士山、八ヶ岳、中央ア

ルプス、噴煙を上げる浅間山。昨日の強風が嘘のように穏やかな天候となった。

 昨日と同じ爺が岳南尾根ルートより山頂を目指す。西斜面は岩が露出しているが、東斜面は雪が深い。太股までの雪の中、尾根筋をラッセルして登高する。

斜度は約40度。見下ろすと垂直のように見えるが恐怖感はない。

 山頂からの眺望は、まさに春山讃歌である。雲一つない紺碧の青空に純白の雪化粧をした劔岳、鹿島槍が岳。絵に書いたような青と白の対比。槍穂高連峰も

はっきり望むことができた。

 今回の山行でまず驚いたのは、扇沢ターミナル付近の道路と登山口にはたっぷり積雪と樹氷があり、まだまだ冬景色だったことである。しかし、下山時の登

山口には雪は消えていた。さらに、地元と思われる登山者によると、ここ数日は天気が悪く、我々が入山したときのみ晴れ間がのぞいていたようである。誠に

幸運であった。

 そして、意外にも爺が岳南峰から鹿島槍まではトレースがなく、まっさらの雪面をラッセルできる機会に恵まれた。

 連休の混雑を避けるため、あえて連休前に計画をたてたことが功を奏し、出会った登山者は僅かに数名であり、行動中は北アルプスほぼ貸しきり状態であっ

た。快適である反面、トラブルが発生した場合は、頼れるのは己のパーティーのみであることを肝に命じなければいけない。そのため、慎重に行動し、早めの

判断が必要であると考える。

 残念ながら純白のライチョウは見れなかったが、後立山連峰は我々に春山と冬山の両面を見せてくれた