報告書 

1参加者 名児耶、千賀

 

2山域・ルート 八ヶ岳阿弥陀岳北稜 美濃戸口−行者小屋−阿弥陀岳北稜−中岳−赤岳−文三郎新道−行者小屋−美濃戸口

 

3交通手段  

 

4行動記録

 入山日2006年3月18日  下山日2006年3月19日

第1日 (晴れのち曇り)5:00西宮→10:30美濃戸山荘駐車場11:00→13:10行者小屋、テント設営14:30→15:45阿弥陀岳北稜2600mジャンクションピーク(偵察)16:00→17:00行者小屋19:30(就寝)

 第2日 (稜線吹雪)(起床)5:30行者小屋8:00→9:00文三郎道分岐→10:00中岳10:15→11:45赤岳12:00→13:30行者小屋、雪上トレ、テント撤収15:00→16:00美濃戸山荘駐車場16:30→22:30西宮

 

5山行中の問題点・事故に繋がる要因

a予定のルートで行動出来たか 予定ルートをはずれた場合はその理由

二日目に阿弥陀岳北稜を登る予定であったが、明け方にかけて二つ玉低気圧による積雪及びその後は強い冬型の影響による強風が予想されたためにバリエーションルートは中止して、文三郎尾根のノーマルルートを通り阿弥陀岳を目指すこととした。 しかし、中岳に到着した後、阿弥陀岳に伸びる稜線が雪庇と弱層で不安定であったため阿弥陀岳登頂を諦め、赤岳のみの登頂とした。

 

c事故の繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す

1)一日目に阿弥陀岳北稜のアプローチを偵察するために北稜と夏道が通る尾根の間の沢を詰めていったところデブリが出始めたために夏道側の尾根に進路を変更した。 その斜面上で、弱層のハンドテストを行ったところ上層30−40cmのあたりが片手首で滑る明らかな弱層が認められた。 尾根に上がった後に北稜の斜面や中岳沢の斜面を観察したところ、随所に表層雪崩の後を発見した。 木が生えていても上部の疎らなところに雪崩跡があった。 また、二日目に中岳と阿弥陀岳の稜線で弱層テストを行ったところやはり初日と同じくらいの深さで明らかな弱層を確認した。 2月末から3月頭にかけて気温が上昇し、ザラメ状になった層の上に一週間前に積もった新雪が重なり弱層を形成していたものと思われる。 

2)赤岳から下降する際にホワイトアウトとなり、鎖場を過ぎたあたりの下降路を視認出来なくなった。

 

dパーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか 

1)八ヶ岳周辺は雪崩の危険があることを常に考慮し、弱層テスト等を適宜行うべきことを話し合った。 過去に阿弥陀岳の周辺、また、文三郎道でも雪崩事故が発生している。

2)冬型となった場合は八ヶ岳周辺は強風であっても晴れると予想していたが、稜線上はほぼ一日中ガスにつつまれ吹雪いていた。 二つ玉低気圧が通過した後の強い冬型の場合は八ヶ岳周辺も悪天候を予想することが必要であることを話し合った。

 

eその他

赤岳に続くルートも予想以上に雪がついており、アイゼンの前爪とピッケルを使用しての雪壁のトラバース及び登下降が必要だった。 

 

報告者氏名 名児耶 2006年3月25日