山行報告書

神戸勤労者山岳会

 

1参加者           西・馬河

2山域・ルート        立山・剱・大日三山

3交通手段  電車  車  バス

4行動記録

 入山日  2006年9月29 下山日  2006年10月1日

  9月28日21:30 大阪出発→9月29日 5:00富山

第1日  5:44富山出発→立山6:34(電車・\1170)立山→室堂8:30(ケーブル・高原バス)

  室堂ターミナル→浄土山→一の越→雄山→大汝山  →真砂岳→別山乗越→

剣沢テント場(水・トイレあり300張り)

 第2日  6:00 剣沢テント場出発→一服剣→前剣→剣岳→剣沢テント場 →

別山乗越→新室堂乗越→雷鳥平テント場《水・トイレあり250張り)入浴

  第3日  4:50雷鳥平テント場→新室堂乗越→奥大日岳→大日小屋 →大日岳ピストン→大日平山荘→車道→称名の滝バ スターミナル

 

5山行中の問題点・事故に繋がる要因

a予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由           

予定通り行動

 c事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す

  特になし

dパーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか 

 

その他ルートに関する情報・気がついた事など

  浄土山からは、思ったより急登できつかった。ルートは標識が整備されており歩きやすかったが、立山三山から剱沢のルートで表示の理解しにくい標識があった。剱沢のテント場は、小屋から離れており不便だった。水は豊富だったが、テント場からトイレが遠く、昼間でもライトが必要な窓のない建物であった。それに比べ、雷鳥沢のテント場は、トイレも近くきれいで、電気が24時間ついており助かった。また徒歩10分くらいのロッジで入浴も可能で快適に過ごせた。大日岳から称名の滝への下りはかなり急で、注意を要した。大日平までは段差が大きいし、大日平からは、平坦か・・・と思えばロープもあり、滑りやすかった。大日平からは、バスの時間の関係でかなりのスピードで下ったのでちょっと危なかった。

大日岳から下りルートの紅葉は鮮やかで、ゆっくり下ることが出来れば赤や黄色の紅葉を充分楽しめたと思う。このコースはかっこいい剱岳が見られるお勧めのコース。また大阪−富山間のバスは3列シートで往復で¥8500と、とても安価でかつ快適でお勧めだ。

今回も天候に恵まれ楽しい山行・テント泊となった。以上。 

報告者氏名  西 ひとみ 2006年10月5日

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剱岳満喫山行を終えて

18年9月28日〜10月1日 馬河直美

 「やっぱり秋の剱見に行こう」10日前だったか、西さんからのメールに笑った。

「そりゃ〜、私も行きたいけど・・・」数日前まで体調を崩してしまっていた私は体力的にも精神的にも弱気になっていた。が、日程調整をしている自分はだんだん元気になっていた。

早速、西さんからの計画書に驚いた。立山三山・剱岳・大日三山縦走???

今回、西さんは剱を観て楽しみたいらしい。

私は剱に行けたらそれで満足だ。

そして、テント泊デビュー。なんとよくばりな計画。

1日目、室堂から立山を見る。美しい景色。何年も前、観光で訪れた時は雨でこの景色は見れなかったのだけど、大きなザックを背負っている人がいるのをみて驚いたことは覚えている。

本日は晴れ。稜線を眺め、わくわくする。

ルートはいくつかあるが、今回は浄土山を周ってから雄山に行く計画だ。ホント、よくばりだ。剱が見えると元気が出てきたが、テント泊装備で雄山への登りはきつかった。弱音を吐きそうになるが、道を譲ってくれる人や途中で休憩されている人に「すごいね〜」とか「がんばって」とか声をかけられると、大きなザックを背負っている手前、それなりの顔をして歩くことが出来た。雄山神社に参拝する。おみくじは小吉。大汝山辺りからガスが多く、眺望は残念ながら不良で助かった。(眺望が良ければ、きっと西さんは頂上を通るコースを行こうと言っていただろう?登りを少しでもショートカット出来て、実はホッとした。)

剱沢テント場が見えた時はうれしかった。ここからの剱の眺めがいいらしい。ガスが多くて前剱が見えそうで見えない。明日のお楽しみ。

2日目、満点の星空の時間に起床。期待度100%!!!

朝食を済ませ、テントから出るとドンと剱(前剱)が現れていた。

剱には空身で行けるので身も軽い。

行列になることもなく、カニのヨコバイとカニのタテバイを体験できた。

一服剱・前剱を経て憧れの剱岳に到着。祠の前に「剱岳2999m」の表示板と古い「剱岳2998m」の表示板があった。剱岳も成長しているのだな〜と感動。

360度パノラマの景色。白馬岳、穂高岳方面をしみじみ眺める。「あそこから、この剱岳を眺めていたんだな〜!!!すっご〜い!!!来ちゃいました。」って感じ。

大日岳を眺めながら剱沢に戻り、剱を眺めながらラーメンを食べたり、コーヒーを飲んだりしたい気持ちを抑え、テント撤収し、別山乗越(剱の眺望が素晴らしかった)へ向かう。

剱に今日登ってきた人、明日登る人、登らず眺望を楽しんでいる人、みんながそれぞれの想いで剱を眺めていた。雷鳥平に向かう途中、下りながら立山を横目に紅葉を楽しんだ。写真を撮っている地元の人に、「良い時に来たね。きょうはいい天気だから写真撮りに来たんだけど、剱には3回登ってるけど、全部上で曇って見れなかったよ。」と言われた。それだけ山の天気は難しいんだと実感し、思い立ったが吉日の今回の山行であったが、この2日間の天候に感謝の気持ち。

二人とも写真を撮りまくり、すでに残枚数は少なくなり、消去する写真を無理やり選びながらまた撮った。

    剱沢でマイテントデビュー
     剣岳頂上で

雷鳥平に着き、立山を前に紅葉に囲まれた絶景の場所に満足していると、すでに到着していた人に「ここは良いよ。気に入って3回来てる。そこのホテルかロッジで風呂に入って、ビールを買ってきて、ここで寝る。最高でしょ。」とお奨めされた。景色だけでも満足出来るが、お風呂に入れるなんて嬉しい!縦走の途中に束の間のリゾート気分が味わえる。確かにお奨め!その夜は、二人とも疲労からか、体が温まったからか、すぐに眠りにつけた。

明日は最終日の8時間歩行の大日岳。天候は崩れる予報なので、起床時に雨だったら中止して室堂から下山、雨でなければ少しでも早めに出発しようと決めておいた。

3日目、3時起床。星数個(といっても数え切れない程度)あり。

雨じゃない。良かった!?歩くのか!?歩こう!!!

気持ちは嬉しいのだが、疲労した体が少し残念がっていたかも知れない???

立山を背に歩き始め、振り返ると空が少しずつうっすら赤く染まっていく。

疲労した体も心から歩いて良かったと喜んでいた。

室堂乗越で、ピンク〜赤〜オレンジ〜シルバー色に空の色を変えて剱と立山が、朝の顔を見せてくれた。

剱の眺望を楽しむ為に、大日岳縦走を計画した西さんの想いが良くわかった。

大日岳から眺めた剱が今迄で一番好き。稜線がくっきり見えて、雄大に構えている感じがいい。立山〜剱の稜線を眺められるのも嬉しいし、今歩いてきた奥大日岳がその前にそびえている。上空は雲が覆っていたが、これらの景色を遮る事はなかった。青空だったらどれほど素晴らしいか!!!「剱くん、また来るね〜!!!」周りに誰もいないので、二人で叫んで楽しんだ。

帰りのバスの時間を気にしながら、下山を急ぐ事にした。

昨日までの登りはコースタイムをオーバーしながら歩いてきたが、今はもう写真も撮り尽くしたし、神戸労山で鍛えた私たちは下りには強いだろうとの予測は甘かった。

何ヶ所かロープが付いていたし、ここにもロープをつけて欲しいなあと思う場所があり、疲労した足で、大きなザックを背負って、急ぐにも限度がある。

大日平山荘で出会った地元の人に、「バスに間に合わなかったら、立山駅まで送ってあげるよ」と声をかけていただいた。有り難かった。その言葉を保険に、早い便のバスを目指してひたすら歩いた。二人とも殺気立つ勢いで。そして、間に合った。なんとかぎりぎりセーフという感じ。

西さんは、コースタイム内で歩けたことに驚き、自信をつけたようだった。

ますますパワーアップした西さんに、「お願いします。今度はもっとのんびり出来る計画にして下さい。」と、そっとお願いしておいた。

今回は、西さんのよくばり山行計画のお蔭で、剱岳を充分満喫出来た。感謝。

こんな楽しみ方もあるんだな〜!!!登って楽しみ、観て楽しむ。

私達のテント泊デビューに、雨を降らさず見守ってくれた山の神様、ありがとう。

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 剱岳を眺めて  

 記:にし

 このコース案は、去年の秋から考えていた。

大日岳からの剱岳がいいらしい・・・・・と。それになだらかな山容の大日三山は、いつかは歩いてみたいと思っていた。私にとって今回の目玉は自分でテント一式を担いだ山行をする事と、剱岳を眺めながら大日岳を歩くことだった。

 1日目の立山三山は途中からガスがかかり、景色を楽しむ事ができなかったが、浄土山からの五色が原、薬師岳はとてもよかった。今度はあんな、なだらかな高原でテント泊を楽しみたいと思う。

 2日目、馬河さんのメイン、「剱岳に登る」は、天候に恵まれ抜群のロケーションを楽しんだ。

一服剱、前剱、鎖場・・・・・(前剱から剱の間はちょっとしんどかったが)2人とも、もう写真の取りまくりだった。馬河さんは、カメラの前でいろんなポーズをとった。

そして、やはり山頂はすごかった!!360度のパノラマは迫力がある。毛勝三山、鹿島槍、五竜、唐松、白馬三山、針の木、乗鞍、穂高、遠くに富士山も見えた。立山、大日岳も大きかった。昨日歩いた稜線を眺め、明日歩く稜線を眺め、山頂での時間を充分楽しんだ。

テント場につく頃には、足はかなりくたばってしまっており、ザックを背負って歩けるのか、ちょっと不安だったが、歩き始めるとなんとか歩けるものだ。

剱御前小屋からの剱もまた良かった。ここから雷鳥沢までの下りは、立山三山と紅葉、真っ青な空に三日月がくっきり出、ザックの重さを感じないほど楽しめた。

そして紅葉と立山三山を眺められる場所にテント場があり、(おまけにお風呂にも入れる)こんな贅沢なロケーションで1夜を過ごせるなんて最高だ!

 3日目、「雨になるのでは??」と半ばあきらめていたが、3時星が出ている。なんとか、もつかも?・・・と5時前に出発。途中、紅く染まる空を眺めることができた。

大日岳への稜線は、ゆるやかアップダウンを繰り返しながら、立山・剱を眺め、笠ヶ岳などの山々も眺められる、本当に楽しい稜線歩きだった。大日岳に近づくにつれ、圧倒的な存在感で剱岳が迫ってくる。2人も出発の前は少々気が重かったが、こんな風景に出会え身も心も小躍りしていた。また歩きたいコースだ。

小屋から大日平までの紅葉も良かった。時間がなく、ひたすら下ってしまったが、余裕があれば紅葉だけでも充分楽しめるコースだった。もう少しでバス停・・・という時に雨が降ってきたが、なんとか雨具を着けずに歩くことができ、助かった。

紅葉の雷鳥沢テント場
 奥大日岳からの剱

馬河さんとは、この夏3回目の山行だ。今回も彼女からいろんな事を学んだし、助けられた。1人よりもずっと心強い。このコースを歩けたのは2人だったからだと思う。紅葉の立山、大日岳、剱からのパノラマ、本当に鮮やかな風景に出会うことが出来た。彫刻で彫ったような立山が好きだ。五色が原や弥陀ヶ原の高原もやさしい感じが好きだ。出会った風景にまた会いに行きたいと思う。

 

今回、学んだこと。

?     行動食を少なくしても、歩けるようにする。(重量を減らすことができる)

?     水分をもう少しこまめに取る。

?     登りのペースが遅いので、筋力・心肺機能を強化する。今回は馬河さんに先に歩いてもらうことでペースを速めることができた。

ちょっと強硬なプランだったかも??もっと余裕のある計画にしたほうが良かったかもしれない。