山行報告書
神戸勤労者山岳会
1参加者がん氏(須磨労山)、増田
2山域・ルート
不帰?峰尾根
3交通手段 電車 車 バス
自家用車
4行動記録
第1日目 晴れ 8:30八方尾根ゴンドラリフト乗場発〜10:00上の樺BC着
第2日目 晴れ 5:30BC発〜7:55?尾根稜線〜12:00断壁下〜JP14:45〜16:30?尾根ピーク〜19:20唐松山荘
第3日目 晴れ 6:50唐松山荘発〜7:35BC着、朝食並びに休憩後、下山開始〜11:35八方尾根ゴンドラリフト乗場着
5山行中の問題点・事故に繋がる要因
a予定のルートで行動出来たか 予定ルートをはずれた場合はその理由
予定通り
b予定の行程どおり行動出来たか 行動予定と異なった場合はその理由
当初計画では?峰の他に?峰又は?峰を登る予定であったが、?峰に時間がかかりすぎたため体力の消耗等を考慮し、今回は?峰のみとした。
c事故の繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す
特になし
dパーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか
特にせず
eその他
今回、須磨労山のがんさんが計画した山行に参加させてもらうことができた。不帰?峰は急な雪壁と細いナイフリッジが続く不帰では最も長い尾根で、雪壁はハイマツのブッシュの上に雪が付いた不安定な状態のところが多く、足元の雪が崩れてずり下がることもしばしばで、背筋が凍る思いを何度も味わった。ガイドブックによく書かれている不安定な雪をごまかしながら進むの意味がとてもよく理解できた。また、ナイフリッジの特に細いところでは平均台の上を歩いているような感じで、気持ちとしては芋虫のように這って通過したいところだった。それ以外でも落ちれば多分助からないようなところばかりで、最初から最後まで気を緩めることができなかった。がんさんは体調が悪かったにもかかわらず核心の垂壁をトップで登り、また何かと時間のかかる私を辛抱強くフォローしていただいた。さすがは百戦錬磨の強者だ。私はアルプスの雪稜は今回が初めてで、他にもデッドマンを使ってのビレイや練習以外でのスタンディングアックスビレイ、ナッツで支点を工作したのは今回が初めだったのでとても良い経験ができた。しかも天候にも恵まれ充実した実に楽しい山行だった。帰りには一度登って見たいと思っている明星山にも案内してもらった。今年の雪山をこのように満足のいくかたちで締めくくれて、がんさんにはとても感謝しています。ありがとうございました。
報告者氏名 増田 2007年5月8日
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不帰?峰尾根(2007年5月3日〜5日)
記録:がん氏(須磨労山)
○3日 晴れ 8:30リフト乗場発〜10:00上の樺
二人とも八方尾根は初めてで、上の樺が分からず丸山ケルンまで登ってしまい、引き返してくる。ザックを置いて八方支尾根の偵察に行く。12時にテントを設営し終わってうたた寝をする。明日の行動を考えて早めに就寝(18時30分)するが、なかなか寝つけない。もう興奮する齢ではないのだが・・・風が強い。
○4日 晴れ 5:30テン場発〜7:55?尾根稜線〜12:00断壁下〜JP14:45〜16:30?尾根ピーク〜19:20唐松山荘
遅れて4時起床。念のためにツェルト、スコップ、ガスコンロを持っていく。八方支尾根の途中より、唐松沢めがけて急な斜面を降りる。唐松沢で安全ベルトを装着して、P1を越したあたりを目指して登る。このころより岩佐は遅れ気味になる。3日朝方より扁桃腺が張れ風邪の前兆で疲れ気味か、たんなる加齢によるバテか。これより増田トップでブッシュを越えて行く。以下ツルベで登る。ロープは9mm50m1本のみを使用する。途中、コンテを交えて登るが、トレースがないので時間を喰う。P2・P3間で不帰沢側よりトレースがあった。P3を越えた所では雪面が開いており、1箇所だけスノーブリッジが架かっていて恐る恐るまさに四つん這いになって渡る。雪稜を1Pで断壁に着く。ここは私の番で、ちょっと気合を入れて取り付く。断壁はハング下まで5mほどの凹角の中に2本クラックが走っている。1つはプラブーツが入る大きさでもう一方にキャメロットNO1を効かす。後、残置のお助けスリングにヌンチャクを付けて、ハング下を左に出てテラスにあがる。ここから見ると少し左側へ雪壁を降りた所から緩い凹角状になっていて登ることが出来る。後は急な雪壁、雪稜を登っていくと、CJに載っていたBPに着いた。記録と同じようにビバーク後地があって驚いた。JPまで3Pスタカットで登り、これよりコンテで?峰下まで行く。途中、?峰あたりから声が聞こえたので見ると、北峰直下でロープを着けて登っている3人パーティがいた。?峰の先行者パーティだろうか。先行きが不安だ。いよいよ最後の登りを増田が行く。ブッシュの中をモンキークライムだった。稜線に出て、少し上って?峰頂上に着く。西側の奥には剣が見える。時間も遅いので、早々と頂上を後にして、唐松岳へ向かう。?峰への登りは鎖や梯子があって、先行パーティがロープを出していた所もわざわざロープを出すまでもなかった。後、ふらふらになりながら唐松岳に着く。やっと小屋が見えた。小屋で少し休憩して、ヘッドランプを点けて小屋を出て、八方尾根の下り口を捜すが、見つからない。私の体調も思わしくなく小屋に泊まる事にする。
○5日 晴れ 6:50唐松山荘発〜7:35BC着、朝食並びに休憩後、下山開始〜11:35リフト乗場着