雄大な自然に抱かれて
記:西
去年の秋、浄土山から眺めた五色が原。広がる高原のやさしさに、行ってみたいと思った。そして、五色が原から薬師岳・太郎兵衛平へと続くロングルートをゆっくり歩いてみたいと思った。テント泊で3泊はちょっと不安だったけれど、もっと自然の奥深くに分け入り、自然の中に身をおいてみたいと思った。
1日目は、最高のお天気。こんなお天気に雄山に行かないてはないよ!!と、迷うことなく雄山に向かい360度のパンラマを満喫。剱も大日岳も五竜も鹿島槍も唐松岳も見えた。
五色が原までの行程は、これまで歩いてきた尾根や、これから行く北薬師岳、薬師岳を眺めることができ、また、チングルマやハクサンイチゲ、シナノキンバイなどの花がいっぱいで、楽しく歩くことができた。
五色が原のキャンプ地は、平日とあってあまりテント泊をする人はいず、静かな高原での時間を楽んだ。山々に囲まれ、花が咲き、池塘があり、そんな中でテント生活のできることがうれしかった。
2日目は、五色が原の散策をして、ゆっくり出発。アップダウンの繰り返しが多く、雨で視界もあまり良くなかったので、ちょっとしんどかったけれど、花々を楽しんだ。きっと雨の方が花は綺麗だと思う。テント場につき私たちがテントを設営した後、かなりの量の雨が降った。
3日目、ちょっと、お天気は期待薄。でも花畑がいっぱいで、私たちの目を充分楽しませてくれた。・・・突然、北薬師岳への途中、太陽の光がさしてきた。振り返ると雲の中に剱岳がうっすらと見えた。すごい!!ガスが一瞬風に吹かれ、今まで隠れていた風景が姿を現す。この瞬間は、とても神秘的だ。北薬師岳や薬師岳も姿を見せた。太郎平や雲ノ平の方も眺めることができた。槍ヶ岳も一瞬その穂先を見せた。あきらめかけていたので、すごく嬉しかった。薬師峠のテント場では、山々を眺め夕日を眺めた。
4日目、雨。しばらく様子を見てからテント撤去。
途中、雨はやみ、昨日歩いた北薬師岳、薬師岳の稜線を眺めることができた。五色が原からの山容とはまた違った薬師岳だった。鮮やかな緑は、雨に濡れてさらに鮮やかさを増していた。
お天気にも恵まれ、雄大な自然を充分楽しむことができた。また、高山植物が満開の季節で、たくさんの花々と出会うことが出来た。ゆったりと静かな夏の時間を過ごすことができ、最高だった。同行者の居ることに感謝。