山行報告書

神戸勤労者山岳会

1参加者 名児耶、一般(息子11歳)

2山域・ルート 北アルプス前穂高岳〜奥穂高岳

3交通手段  

4行動記録

入山日2007年8月11日  下山日2007年8月13日

8月11日(土)晴れ

明石05:00→(車)→13:00あかんだな駐車場→13:45上高地→16:00岳沢、幕営(行動2時間30分)

8月12日(日)晴れ

岳沢6:00→09:00前穂高9:30→11:30奥穂高12:00→12:30穂高山荘13:00→14:30涸沢、幕営(行動8時間30分)

8月13日(月)晴れ

涸沢6:00→パノラマコース経由→11:30上高地、幕営(行動5時間30分)

5山行中の問題点・事故に繋がる要因

予定のルートで行動出来たか 予定ルートをはずれた場合はその理由

予定通り

事故の繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す

2日目、穂高山荘から涸沢に下るザイテングラートの途中で息子が疲れてしまった。 かわりに荷物を持ち、その後は、何度か休みながら涸沢にたどりついた。

パーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか 

息子は、穂高山荘までは、非常に元気であったが、涸沢まで30分ほどの地点で疲れてしまった。 水、レーションは、こまめに取るように気をつけていたが、縦走のあとの下山道で、緊張が取れ、疲れが一気に出たのかもしれない。 涸沢でテントを張り、2時間程寝た後は回復していた。 翌日は、問題なかった。 初めての岩稜帯縦走で8時間以上の行動は、きつかったかもしれない。 

6感想

5年前、山岳会に入る際に、一つの目標があった。 当時、まだ小学1年生だった息子を安全に北アルプスに連れて行くこと。 山岳会に入る前も、何度か北アルプスに行ったことはあったが、子供を連れて行くためには、もう少し準備が必要であると感じていた。 山岳会で、テント泊縦走、岩登り、冬山を通して総合的な登山技術を学び、経験を積んだ後、今年の夏、6年生になった息子を穂高に連れて行くことにした。 約1カ月前からボッカや岩登りなど、二人で集中トレーニングを行い、穂高行きの気分を盛り上げていった。 初日、朝早く明石の自宅を出発。 お盆の渋滞に巻き込まれはしたが、16時までに岳沢のキャンプ場に入ることが出来た。 雪崩で潰れたため小屋泊はないが、テント泊は従来通り可能である。 息子は、テント場横の雪渓を見て、触って喜んでいた。 2日目、今山行のハイライトだ。 前穂高まで登り、吊尾根を通って奥穂高まで縦走する。 一日目と同じく、申し分のない天気に恵まれた。 空は、碧く、濃く、どこまでも高かった。 前穂高まで危なげなく登ることが出来た。 子供は、林道よりも岩稜帯が好きだ。 以前、息子は、岩登りのことを天然のフィールドアスレチックと呼んでいた。 山頂では、壮大なパノラマが出迎えてくれた。 八ヶ岳、富士山、御嶽、乗鞍、白山、槍ヶ岳がぐるりと囲んでいる。 本当に美しい。 北尾根の先まで行くと涸沢に色とりどりのテントが咲いていた。  山頂で長野の山岳会の方に写真を写してもらった。 周りの大人が良く登ったと褒めてくれるので、息子もとても良い表情をしていた。 

紀美子平に戻り奥穂高に向かった。 最後の鎖場を楽しみつつ、祠のある奥穂山頂にたどりついた。 ジャンダルムに人影が見える。 前穂北尾根が綺麗だ。 いつ見ても魅力的なグラートだ。 

ここでも暫く、景色を楽しんだ後、穂高小屋に下った。 小屋の外でカレーライスとラーメンを食べた。 息子によると今まで食べたラーメンランキングの3位以内に入るうまさだったらしい。 北アの景色がよいスパイスになったのだろう。 予定よりも早く小屋に着いたので涸沢まで下ることにした。 ザイテングラートの中間部あたりまで来たところで、息子の電池がきれかけた。 8時間行動は、やはり小学生にはしんどかったか。 荷物を全て持ってやり、休み休み涸沢に下っていった。 雪渓にまでテントが溢れていたが、受付小屋裏の大岩の上に平らなところを見つけ幕営した。 テント内で寝転がっていると息子の調子も戻ってきた。 早々に夕食をすませ、日が暮れる頃には二人とも寝始めていた。 その夜の明け方は、ペルセウス座の流星群を見ることができると聞いたので、時計のアラームを朝3時にセットした。 3時。 テント入り口から体を半分だけ出して星空を見つめた。 息子は、流星がたくさん出たら起こしてくれといいながらテントの奥に引っ込んでいった。 一時間ほどだっただろうか。 確かにいつもより多くの流れ星を見たが、以前見た獅子座流星群よりはかなり控えめだった。 前穂北尾根にかかる冬将軍オリオン座を眺めていると空が白んで来た。 朝、ゆっくりと出発した。 景色を楽しむためにパノラマコース経由で帰ることにした。 10年以上前、妻とこのルートを下山したことがあった。 あいにくの天気だったためなぜここがパノラマコースと呼ばれているのかが分からないままの下山だった。 3日目も快晴に恵まれた。 以前よりも道が崩壊しているようだった。 雪渓や滑りやすい斜面のトラバース箇所がいくつかあり子供が一緒だと緊張した。 穂高縦走路より、地面が滑りやすい分、こちらの方が危険だと感じた。 しかし、危ないところは、全てフィックスロープが張られており問題なく通過することが出来た。 登山道を整備してくださった関係者の方々に感謝します。 槍ヶ岳や北穂高に別れを告げつつ、乗っ越しから徳沢へと続く道を辿った。 

途中、前穂東壁を仰ぎながら沢の水を飲み、徳沢からは、多くの人とすれ違いながら河童橋まで戻って来た。 近くにいた人に記念写真を撮ってもらい、今回の山行を終了した。 思い出に残る山登りだった。 

報告者氏名 名児耶