山行報告書

神戸勤労者山岳会

1参加者   大川、井谷、高岡、生田

2山域・ルート  前穂高岳北尾根

3交通手段  電車  車  バス

4行動記録

入山日2007年9月22日  下山日2007年9月23日

第1日(9/22) 7:50 平湯アカンダナ駐車場→8:40 上高地→14:40 奥又白池(テント設営)

第2日(9/23)  4:00 奥又白池出発 →12:00 5・6のコル取り付き→13:00 5・6のコル

        手前 → 14:00 5・6のコル取り付き→16:30 徳沢園→18:00 上高地

第3日(6/24) 帰神

5山行中の問題点・事故に繋がる要因

a予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由 

・  第2日目予定通り行動できず。予定では北尾根登攀し岳沢ヒュッテまで行くこととなっていた。

(予定通り行動できなかった理由)

・  5・6のコルの取り付きを間違い、4・5コル直下の沢を登る。落石激しく難渋。稜線まで上がるが、第4峰の支尾根上でナイフリッジと第4峰の正面壁に阻まれ、前へ進めず、登った沢を戻る。

・  次に、地形を見ると第5峰下の支尾根を登ると第5峰のピークあたりに出れそうだったので、5・6のコルの取り付きまで下降せず、その支尾根をのぼる。急斜面の草付に難渋。一部ザイルで確保する。苦労して小ピークまでいくが、結局最初に4.5コル下の沢を詰めて到着した地点と同じで、先に進めず、再び下降。

・  その後やっと5・6のコルの取り付きを見つけ、登る。

・  5・6のコル直前で雨が強くなり、時間も13:00を過ぎたので、残り時間、体力の消耗、安全を考え、北尾根登攀は中止し、下山することとする。

b事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す

  なし。ただ4・5のコル直下の沢は、今まで経験したことのないガレ場で、落石非常に激

しく、危険を感じる。

cパーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか

 バリエーションルートとは言え、正規のルートがあり、ルートを外すと登攀は非常に難しくなる。今回は

 行き着いたところが、第4峰の正面壁という岩登りのホンチャンルートで、今のパーティの実力では

突破は無理だった。 

その他ルートに関する情報・気がついた事など〜今回の教訓

(ルート間違いの原因)

・  事前に地形図上でのルート読みが不足していた。特にアプローチについての下調べが不足していた。

・  ルートでないところでも突破できると言う、考えの甘さがあった。

・  初日のルート間違いでGPSを活用したが、数字の読み間違えか、定規の当て間違えか、現在位置の確認に失敗し(実際にはGPSは正しく作動していた)、機械そのものの不備か設定ミスかと思い、以降の行動にGPSに対する信頼感をなくしていた。実際5・6の取り付きを探す時も、GPSは考えと違う位置を示していたが、この時GPSを信用しておればルート間違いはなかった。

・  コース崩壊の不安、GPS作動間違いの不安、登攀の不安等から、あせりや、こんなものでいいだろうという「いい加減さ」につながり、ルートや現在位置確認が不十分だった。

(対応)

・  事前準備(地形図の読み込み)を充分にすること。

・  不安があれば、出来るだけ早く不安を取り除くことが必要。〜前日の下見を充分にする。GPSの作動を確認しておく。事前の練習等。

・  ルートでないと判れば、出来るだけ早い段階で正しいルートを探すことが必要。常識的にルートであるかないかは、判るはず。

・  客観的な情報で判断する必要あり。

(感想)

・  登頂失敗に終わったが、決められたルートを登るより、自分たちでルートを探り、登ったことは良かったと思う。多分人がほとんど行かない場所で前穂高の景色を見れたと思う。

・  今後は壁にぶち当たったときでも、それを越えることができる実力を身に付けたい。

・  前穂の怖さと魅力の一端を感じることができて良かった。

・  山を登るためには、たくさんのことが要求されるから、面白いと思う。是非再チャレンジしたい。

     報告者氏名 大川  平成19年9月26日