山行報告書

神戸勤労者山岳会



1参加者 名児耶、高岡、大石

2山域・ルート 南八ヶ岳(赤岳西壁主稜、中山尾根)

3交通手段  車

4行動記録
 入山日2008年3月8日  下山日2008年3月9日

3月7日(金)(晴)20:00会事務所→(車)→01:00諏訪南IC手前のPAで幕営(行動0時間)
3月8日(土)(晴)諏訪南IC手前のPA5:30→(車)→7:00美濃戸口7:30→9:30行者小屋10:30→11:30赤岳主稜取付→15:00赤岳頂上→16:00行者小屋、幕営(行動8時間30分)
3月9日(金)(晴)行者小屋5:30→6:30中山尾根取付→11:15稜線11:30→12:30行者小屋13:00→14:00美濃戸口→20:00神戸(行動8時間30分)


5山行中の問題点・事故に繋がる要因
予定のルートで行動出来たか 予定ルートをはずれた場合はその理由
予定通り。 
事故の繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す
特になし。
パーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか 
特になし。


感想

2日間とも好天気に恵まれた。 入山初日に行者小屋横でテント設営した後、赤岳西壁主稜に向かった。  僕と大石さんは2回目、高岡君は始めてだ。
 取り付きまで登る途中、中岳斜面で点発生表層雪崩が起こる瞬間を見た。 他にも発生跡を見つけた。  発生場所の上部にはトレースがついていた。 
刺激を受けた斜面が暫くたってから崩れたのかもしれない。 主稜取り付き手前の斜面でピットを掘ってみると深さ約10cmのあたりに弱層があった。 
相談した後、主稜の取り付きまで一人づつ素早くルンゼを横切ることにした。 念のためリュックのウエストベルトとピッケルのリーシュを外した。 
全員無事に渡り終わりホットする。  1ピッチ目はチョックストーンが露出しており、前回より難しくなっていた。 
中間の岩場まで順調に来たのでここで高岡くんにリードをお願いした。 危なげなく登る。  前回雪で覆われて見えなかった残置支点がいくつもあるのに驚いた。 核心部と呼ばれている上部の岩場のピッチはまたリードさせてもらった。  前回、凹部の中に不安定な雪があり使えなかったラインが使えた。 ホールドも乾いていたので快適だった。 その後の2ピッチは、大石さんと高岡くんが交代でリードした。  前回6時間近くかかっていたルートを3時間半程度で登ることが出来た。
 翌日、3時起床、5時30分頃行者小屋を出発し中山尾根に向かった。  連日の晴天により取り付きまでずっとトレースが残っていた。 
下部岩場の1ピッチ目は高岡くんがリードした。 岩場正面から取り付いたため思ったよりも難しいピッチになった。 右から周り込み左上する凹部を登ると簡単だったようだ。 2ピッチ目は名児耶がリード。 岩場左側の草付きを行こうとするが雪が少なくフットホールドがなさそうなので直上するクラックを登った。 
カムを使いA0で登った。 クラック上部、乗り越すところのホールドが丸く難しかった。 あと1ピッチだけロープを伸ばし、その後は上部岩場までロープをしまって各自で登った。 上部岩場は1ピッチで行けそうだったが、途中に棚があったので2ピッチで切ることにした。 まずは高岡くんがリード。 3級のはずが結構難しそうだ。
 高岡君が登るフェース左側の凹部から別パーティーが追い越した。 どうもこちらが3級のラインだったようだ。  家に帰ってから調べてみるとどうも高岡くんの登ったラインは4級から5級のラインだったようだ。 棚から上の5m程はリードさせてもらう。  少々ハング気味なのでグローブを外して登った。
思ったよりもホールドが大きく登りやすかった。 ここでプロガイドの方が3人のお客さんを連れてやってきた。  素早い動きとロープワークにびっくりした。 ここで、またロープをしまい移動する。上部でまたロープを出した。 左の斜面を行けば無しでも行けたと思う。  終了点からルンゼ状部分をトラバースして一般登山道に合流した。 赤岳主稜よりも難しかったが、おもしろかった。 今度は、もう少し寒い時に登ってみたいと思う。  一般登山道合流点で先程のガイドパーティーの方々とお話する。 
稜線上で話が出来るくらい穏やかな天気だった。  今回、コンテでは危なそうだがスタカットするまでも無さそうな斜面が何度が出てきた。 そのような斜面はコンテニュアスランニングビレーと言う方法で登ると速くなることを教えてもらった。  コンテで登りつつリードする人が途中ランニングビレーしていく方法だ。 
エルキャピタンの大岩壁でもその方法で登る人々がいるそうだ。 5.11ルートだとこの方法の対象になるとのこと。 びっくりだ。 
大休止した後、地蔵尾根経由で行者小屋に行きテントを回収した後、美濃戸口まで下りた。 林道の雪はこの2日間で解けところどころ土が露出していた。
  春の陽気の中、充実した週末を過ごすことが出来た。

報告者氏名 名児耶