山行報告書
神戸勤労者山岳会
1.参加者
L三谷、SL松田、玉田、野田、長野、森下、黒田
2.山域・ルート
山 域:北アルプス黒部川源流・赤木沢と日本百名山薬師岳
ルート:折立キャンプ場→太郎平小屋→薬師沢小屋→赤木沢→太郎兵衛平キャンプ場→
薬師岳→太郎兵衛平キャンプ場→太郎平小屋→折立キャンプ場
3.交通手段
車2台
4.行動記録
< 入山日 2008年8月10日 下山日2008年8月12日 >
第1日 (8月9日)
西宮北IC9:00→立山IC14:00→亀谷温泉→折立キャンプ場17:00→就寝20:00
第2日 (8月10日)
折立キャンプ場5:00→三角点(標高1870m)6:50→9:40/10:10太郎平小屋(テント装備デポ)
→12:30薬師沢小屋→就寝20:00
第3日 (8月11日)
5:00薬師沢小屋→7:50赤木沢出合→9:40大滝→11:30/12:20赤木沢源頭→13:10稜線
→13:40北ノ俣岳→15:20太郎平小屋→16:00太郎平兵衛平(薬師峠)テント場→20:00就寝
第4日 (8月12日)
4:55太郎平兵衛平(薬師峠)テント場→6:25薬師岳→7:35太郎平兵衛平(薬師峠)→9:00太郎平小屋
→10:50三角点→11:20折立キャンプ場→12:50吉峰温泉→14:00立山IC→19:30西宮北IC
(Tさん・Nさん・Mさん(虫刺されによる手の障害)は、7:30太郎平兵衛平(薬師峠)テント場→
8:10太郎平小屋→11:20折立キャンプ場)
5.山行中の問題点・事故に繋がる要因
a)予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由
第3日目は、出発時間の遅れや当初見込んでいた岩魚釣時間を超過したため。
また、当初終了点から縦走路までの間の着替休息時間を見込んでいなかった。
b)事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す
・赤木沢のある滝登りの際、後側に落ちそうになった。3点確保がなされていなかった。
・2日目から虫刺されにより、手と腕が腫れ(パンパンになった)が生じたり、微熱や咳が出た参加者があった。
下山日の12日富山市岩倉寺のクリニックで受診。快方に向かっているので安心。
・手の親指の爪が割れ出血した。
・人身事故にはならなかったが、立山ICから折立に向かうまでの間に自動車事故(相手は今回の参加者の車)があった。
車両保険(免責無)に加入していたため全額保険会社が修理費負担してくれるとのこと。
c)パーティーで山行中の事故に繋がる要因について山行後検討したか
・沢登りは通常の登山と異なり怪我や動植物による被害が多い。
そのため各人は健康保健証、医療担当者(今回は任命していない)は救急医薬品を山行中常に持っておくべきだ。
6.その他ルートに関する情報・気がついた事など
・今回の赤木沢については、登攀箇所(滝等)ではザイルは必要なかった。
大滝登攀の際、左岸を高巻するがお助け紐で十分であった。(ルート選択を誤らなければお助け紐も不要)
・黒部川上ノ廊下区間も水量が比較的少なかったので渡渉の際でもロープは必要なかった。
・赤木沢は明るく美しい沢のため、感動の連続で瞬く間に終了した感があります。
7.その他
・この夏は沢登りを中心に活動しました。今回の赤木沢は1つの目標でした。
これまで同行していただいた方々から(数年先?には)沢登りに行きませんかと誘われるようになれば嬉しいです。
今回、アマゴさん(ハンドルネーム)のおかげをもちまして、沢登りに岩魚釣りの楽しさも加えていただき、皆さん大満足でした。あ りがとうございました。
・魚を焼くのは金持ちに、餅を焼くには貧乏人に任せると良いそうです。
魚は片側が十分焼けてから反転させるのが正しい焼き方ですが、貧乏人は我慢できずに直ぐひっくり返そうとするそうです。
私が岩魚を焼きましたが、道理で皮がはがれたり身がほぐれたりでうまく焼けませんでした。
岩魚の塩焼きを賞味した後、カリカリになるまで焼いた骨と尾を熱燗に入れると、なんとも言えない香ばしい骨酒になりました。
酒をたしなむものとしては大満足でした。
・いつかは憧れの黒部・上の廊下へ。皆様いかがでしょうか?
・今回の参加者の感想文を以下に掲載します。(イニシャルは名前に変えています。)
8.参加者感想文
私の渓流魚釣りの経験を生かして同行者全員に釣りを経験してもらい、喜ぶ顔を見て、とても楽しい時間を共有出来て本当に楽しかったです。普段の渓流釣りでは味わえない楽しさを味わえ、仕掛けを準備した甲斐がありました。今後沢登りで魚のこと頭をよぎることでしょう。大人の遠足にピッタリの山行でしたね。
虫刺されによる手の腫れも引きホットしています。沢屋と釣り師の両方の気持ちが判る、登山者を目指して行こうと思っています。
(Y)
今年の夏山は、黒部川源流赤木沢に誘われ、いつもと違う沢企画に心が躍った。
赤木沢は期待通り斜滝をドンドン登っていく明るく美しい沢、最後の詰めも高山植物のお花畑を登り縦走路に出るという、最高のロケーションだった。しかしそれ以上に楽しかったのが岩魚釣り。アマゴさんは、魚釣りなどしたこともない私にも、餌をつけ投げ入れる場所まで指示、そして「掛かったよ」と言われて竿を上げたら大きな岩魚が・・・まあうれしかったこと!あの感動は一生忘れられないでしょう!
沢初心者の私たちのために6月から何度も沢登りを企画してくださったリーダー、全員に岩魚を釣ってもらおうと、竿や仕掛け餌まで用意してくださったアマゴさん、本当にありがとうございました。
(y)
毎週沢トレしてくださったリーダー、釣り師としてまたと無いチャンスだったのに自分は釣らず皆のお世話をしてくれたYさん、共同装備も持っていないのにペースの遅い私に合わせてくれたメンバーの皆さん、体調を崩してトレーニングのできない私を励ましてくれたyさん、本当にありがとうございました。明るく美しい赤木沢、芳醇な骨酒の味、そして人の心の温かさ、忘れることのできない私の宝物です。
(N)
神戸労山に入会後三泊四日という、今迄で最長の山行でしたが、もう終わり?帰りたくない!と思うほど楽しかったです。念願の薬師岳も登ったし。Mリーダー始め皆さんに感謝、感謝です。本当にこの会の方々は人格者ばかりで大人の会だと実感しました。男2女2のテント内では何処からか「プー、プッ」なる音、多分Mさん?それとも?いずれにしましても私もこれからは皆さんに見習いたいと思います。それが真の信頼できる山仲間と思うからです。
(S)
行く前から楽しみにしていた赤木沢ですが、想像していた以上に楽しい山行でした。
初日は折立からの急登を抜けると目の前に広がる緑の草原と抜けるような青空が夏山に来た事を実感させてくれました。2日目の赤木沢は釣りをしながら沢を登るという初めての体験で、しかも晩ご飯のおかずに一人一匹の大漁だったので、私を含め全員が子供のように大騒ぎしていたのが印象的でした。赤木沢自体は明るく開けた実に美しい沢で、沢を登り詰めた後に飲んだ赤木沢の最初の一滴が実に冷たく、おいしくて疲れを吹き飛ばしてくれました。最終日に登った薬師岳は、山頂から見える剣岳、槍ヶ岳、奥穂の雄大なパノラマが目を楽しませてくれました。山にいた3日間それぞれ違った楽しみがあり、実に贅沢な山行でした。
(M)
大阪の電気系大学卒業後に、若い頃に3年間愛知県豊橋で勤務在住し、3年編入で愛知大学に2年間夜学で通いました。クラブは大阪のときと同じワンゲルで、1963年愛知大学山岳部13名の遭難事故を知りました。愛大同窓会で山をやっているなら、一度は薬師岳に登り先輩の慰霊碑に参拝しなさいと先輩から言われ、今回薬師岳2850m地点東南陵入り口にある愛大大量遭難事故の慰霊碑に参拝して来ました。
赤木沢は神戸労山入会時に先輩会員のSさん(杉田さん)から広々した明るい沢だからぜひ機会があれば行ったらいいよと言われ、今回やっと行くことが出来ました。Sさんの言われたとおり、明るくて広い沢です。北の俣岳付近からの裏銀座の山並みも広々として雄大でした。
黒部川源流でイワナを皆で釣ったことが良い思い出です。今後は私もイワナアマゴのいそうな沢へ行くときは釣り用の携帯竿を持参しようと思っています。
(m)
報告者氏名 三谷 2008年 8 月20日