山行報告書

神戸勤労者山岳会

1参加者
大川、井谷

2山域・ルート
 剣岳(池ノ谷、三ノ窓、チンネ、北方稜線、早月尾根)

3交通手段
 

4行動記録
 入山日2010年8月6日  下山日2010年8月9日  
8月6日 20:30神戸出発→翌2:30馬場島着

第1日 (8/7)  6:15馬場島発→白萩川取水口→高巻→雷岩→小窓乗越→池ノ谷→左俣→14:30三ノ窓(H:2650) テント泊

第2日 (8/8)  4:00起床→5:30三ノ窓出発→6:00中央チムニー取付→中央チムニー、aバンド、bクラック→8:30三ノ窓の頭→9:30三ノ窓→10:30出発→北方稜線→剣岳本峰→15:45早月小屋テント泊

第3日(8/9)  4:00起床→5:30早月小屋出発→8:15 馬場島→帰神

5山行中の問題点・事故に繋がる要因

  1. 予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由
     なし
  2. 事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す
      なし  
  3. 山行の問題点、今回の教訓 
    ・ 荷物の重さは20s程(水3?)
    ・ 白萩川の下部沿いを通る時、大量のアブに付き纏われる。虫除けスプレーはまったく役に立たず。偶然出会ったおばさんに貰った「よもぎの葉」で払いながら進んだが、アブに刺され、大変つらい思いをした。(後で数えると20箇所ほど刺されていた。)高巻を終え再び白萩川の河原に降りた時にはもうアブはいなかった。
    ・ 白萩川は予定通り右岸を進み、渡渉1回(深さは膝位)で雷岩に着く。
    ・ 小窓乗越(1614)への登りは急斜面で気温も高く、大変つらかった。池ノ谷に降りると雪渓の冷たさでホットした。
    ・ 池ノ谷の雪渓の登りは順調。左俣を少し進んだところで、一箇所雪渓が切れていたが、小窓尾根側から回り込み通過。再び雪渓に戻る。
    ・ 左俣を15分程度進んだところで、後続の二人のパーティが追いついて来た。剣尾根の大きなルンゼの横辺りで、聞くとこのルンゼをR10と呼ぶらしい。(あとで調べると剣尾根下部の取り付きはR10らしい。)後続パーティは剣尾根に向かうとのこと。
    ・ 池ノ谷尾根との出会いの所まで雪渓が残る。
    ・ 雪渓が終わると、浮石だらけの「いやらしい」急斜面を登っていく(ノーザイル)。ちょっと足の置き場を間違えれば、落石を起こし怖かった。20分程で、三ノ窓に着く。
    ・ 池ノ谷雪渓で安全に水を取れる場所は発見できなかった。雪渓がなくなってからは、水はまったく出ていなかった。
    ・ 三ノ窓は原則テント泊禁止となっているが、整備されており、テントが7から8張はれる場所があり、快適なテン場だった。結局この日のテントは我々分のみだった。
    ・ 水の補給は、三ノ窓雪渓に入り、チンネの右端のシュルンドにポタポタ落ちる雪解け水を集めて対応した。
    ・ 夕方、三ノ窓から見た富山湾に沈む夕日は美しかった。
    ・ 翌日、中央チムニーへの取り付きは、割れた雪渓を避けながら、ジャンダルム左側を回り込み到着。大きなチムニーなので分かりやすい。
    ・ 1Pはチムニーの右側のカンテのようなところを登って行く。ピンは錆びて古いものが多く、信用できない。1から2箇所、カムで中間支点を取った。
    ・ 2Pで中央バンドに到着。そこから、ノーザイルでaバンドの取り付きまで行く(ピナクルの上)。
    ・ aバンドを右上し(3P)たが、bクラックが分からず、少し過ぎたところでピッチを切る。
    ・ 二人合流したところでbクラックらしきものを見つけ、少しクライムダウンしてからbクラックを登る。4P、5Pで三ノ窓の頭に到着。
    ・ 全て3級程度の登攀で、さほど困難なPはなかった。
    ・ 三ノ窓の頭からはチンネの頭との間のコルにクライムダウンし、池ノ谷ガリー側のルンゼをクライムダウン(ノーザイル)。
    ・ 池ノ谷ガリーの三ノ窓への下降は、これも浮石だらけ。落石が頻繁に起こり、非常に歩き難く、いやらしいところで、慎重に下降して行き、30分程で三ノ窓に着く。
    ・ テントを撤収し、再び池ノ谷ガリーへ。今度は登って行く。下りよりは多少楽であった。
    ・ 池の谷乗越からの北方稜線は基本的にはノーザイル。ところ所、落ちたら助からないところがある。荷物も重いので慎重に進む。
    ・ 1箇所長次郎雪渓側をトラバースすべきところを、稜線に上がったため、クライムダウンの時ザイルを出して対応した。そのコルから登ったところが源次郎尾根が派生することろで、そこから少し登ったところが、剣岳本峰だった。
    ・ 本峰からは早月尾根を下る。
       
       


 

報告者氏名 

大川 肇  平成22年8月15日