2.山域・ルート生田、保木本、西
3.交通手段北ア/爺ヶ岳東尾根
4.行動記録
5.山行中の問題点・事故に繋がる要因<入山日2012年5月4日 下山日2012年5月5日>
5月3日(木) 18:30神戸発 → 翌0:30 道の駅 安曇野松川PA着(仮眠)
5月4日(金) 道の駅5:15→ 6:00鹿島山荘 登山口972m 6:30 → 7:30 1331m→1767m(JP) → 1978m (P3) 11:20 → 13:10 2198m (P2)
→14:10 (P1手前)2400m地点 → 幕営(行動7:40)
5月5日(日) 4:50幕営地発→ 6:20 爺ヶ岳 中岳 (2670m) 6:30 → 6:45 遭難者発見 → 意識の有無確認の上、第一報発信→ 山小屋関係者と遭遇 6:50
→ 8:00 冷池山荘着(保木本、西)→ 山小屋関係者へ引継 8:30 → 9:20 冷池山荘着(生田)
山行中断決定・冷池山荘 10:00 → 爺ヶ岳南尾根経由 → 15:15 扇沢下山(行動 10:25)
(予定では、第3日目 冷池山荘テント設営 → 鹿島槍往復 ,第4日 赤岩尾根経由 → 鹿島山荘)
6.参加者の感想
a. 予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由 ・第2日目 夕方から天候の悪化が予想された為に出発を早めた。1300m付近では雪はほとんどなく熊笹と石楠花の中のやぶこぎであり、
1500m程度から一定量の積雪があった。
天候は曇、時折霧雨が舞う程度であったが衣服をぬらす程ではなく、1766m付近以降では時折晴れ間も見えた。
天候が悪化する前に早めの幕営(1978m地点)を予定としていたが、トレースがはっきりしており雪の状態も良かった為、11:30にはP3 先にある幕営予定地に到着。
天候状態も良く(風も数m/s程度)、メンバーの体力にも余裕があった為、天候悪化前にP2及び P2先の核心部分を当日中に通過する事を提案・合意して出発した。
P1手前の平坦部(14:10)において再度 冷池山荘までの行動を検討したが、到着予定時刻が17:00頃になる事やメンバーの体力を検討の結果、幕営適地であった同地点で行動を 打ち切った。なお、当日の幕営地変更については都度無線にて1班、3班へ連絡を行った。
・第3日目 幕営地より爺ヶ岳(中峰)を越え、冷池山荘へ向かうところで登山道上に遭難者を発見し行動を中断、第一報を行う。
山小屋関係者と偶然に遭遇状況説明の後、現場はほぼ尾根上で風も強かった(15~20m程)為、保木本・西は冷池山荘の1班/3班テントにて待機として山荘へ向け移動。
生田は山小屋関係者と現場に残り、島田中継の上で遭対協へ状況を報告した。
(遭対協から大町警察所へ一報頂いた)
山小屋から防災無線の到着後、山小屋関係者から再度 大町警察署へ連絡。
待機状態となった為、山小屋関係者に現場対応を引継ぎ冷池山荘へ移動した。
(発見から冷池山荘 待機までの行動詳細については別途報告書に纏める)b. 事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す ・シュラフのパッキング忘れ(保木本) 第1日目の幕営の際、シュラフのパッキング忘れに気付いた。(道の駅にて仮眠の後、車後部座席に置き忘れた。)
当日夜はテントの中心に配置、持参した衣服を着込み、ザックの中に足を入れ就寝。
ツェルトを被れる様準備もしていたが、夜間の気温低下がそれほどではなく(テント内が凍結するほどでもなかった)事なきを得たが、
装備不足は一歩間違えば重大事故にも繋がる。特に自宅でのパッキング後に取り出すような装備や共同装備については、
今一度登山開始前に計画書(装備欄)による再チェックを徹底するよう心がける。・下山途中の転倒(生田) 下山する際、足を置いた木道のステップが外れて転倒、横向きに1回転しつつ1.5m程度下にある登山道(九十九折の曲がり角付近だった為)に転げ落ちた。
幸い外傷や捻挫等はなかったが、疲労と重荷から不用意にステップへ足を置いたため、ステップが破損し、バランスを崩した。 下山するまで集中し、疲労時は適度な休息を取る事を心がけるようにする。c. 山行の問題点、今回の教訓 ・初日天候の悪化が予想されたが、天候悪化時は東尾根からの撤退を前提として入山、 またP3からの前進を決めた際には、天候悪化時の下山を南尾根として考慮した。
・P1手前での幕営の際は、強風に備えるため雪ブロックを積み、壁を設置した。
夜間 風雪となったが、ブロックにより風・雪共に避ける事ができた。・当日は先行が1パーティ、後続1パーティと思われる。
先行パーティのトレースのおかげで歩きやすかったが、トレースがなかった場合には第2日目でP2より先へは行けなかったように思う。
@今回は、初めての春山合宿参加だったが、さまざまな経験ができた。
一部残念なところもあったが全員落ち着いて臨機応変に対処できたのは一番よかったと思う。
機会があれば、このメンバーで鹿島槍ヶ岳の頂上を落としたい!(保木本)A今回は悪天候が予想され、かなり緊張の中で神戸を出発した。
2週間ほど前、下見に行ったリーダーは、悪天候とラッセルで厳しかったと報告していたし、どんな山行になるかと不安でいっぱいだった。
しかし、大雨の中の出発になると思っていたのに、意外にも雨は降らず雪の状態もよく、かなりいい調子で進むことができた。テント設営も結構楽しかった。
2日目、爺ヶ岳付近で遭難者を発見。「どうして??何とかならなかったのか?」という思いと自分自身も遭難の危険と隣り合わせにいる事を感じた。
ちょっとした判断ミスで事故は起こるものだと思う。山に入るというのはそういう事なんだろう。
結局鹿島槍には行かず、皆で南尾根を下山する事になったが、すごい強風で飛ばされそうだった。改めて稜線での強風の怖さを味わった。
厳しい春山になったが、危険箇所の通過、幕営地をどこにするかの判断を一つひとつ確認しながら進む事ができ、学びの多い春山合宿となった。
生田さん、保木本さんのサポートのおかげで、無事下山できた。
ありがとうございました。(西)
爺ヶ岳東尾根P1幕営地(5/4) |
報告者