山行報告書

神戸勤労者山岳会

1.参加者

大川、大石、宮島

2.山域・ルート

北ア・剱岳チンネ左稜線

3.交通手段
 

4.行動記録
<入山日2012年9月15日 下山日2012年9月17日>                                 
9月14日(金) 三宮21:00発 翌2:50立山駅着(仮眠)
9月15日(土) 6:00起床〜7:10発ケーブル〜8:15室堂着 8:30室堂発―10:20剱御前10:40―11:00剱澤山荘―12:15長次郎雪渓出合―下りすぎて引き返す−12:45長次郎雪渓出合に戻る−15:00熊の岩着
9月16日(日) 2:00起床―3:40熊の岩発−4:40池の谷乗越―5:30チンネ左稜線取り付き 6:10登攀開始―7:45ピナクル裏―10:00T5着―11:00核心抜ける−12:40チンネの頭着、登攀終了  池の谷ガリー−14:20池ノ谷乗越―15:06熊の岩着
9月17日(月) 3:00起床―4:45熊の岩発−6:00長次郎雪渓出合―7:00剣沢雪渓終了―10:00雷鳥沢―11:00室堂着〜12:20立山駅〜温泉〜小矢部川SA昼食〜渋滞〜20:40尼崎着
<天気の状況>
15日の13時頃から、長次郎雪渓登攀中、雨のため、雨具装着。その後15日は雨が降ったりやんだりの状態だった。16日は午前中無風、快晴。17日は晴れながら強風(台風の影響か)。
<左稜線登攀記録>
1p目 フェース凹角 宮島リード 20m W  6:10開始  右側の凹角から上り始める。ピン豊富
2p目 大テラスまで 宮島リード 40m V   よく写真に出てくる2p目スタートのところ。途中にもピッチ切れる場所があったが、大テラス(枯れ木テラス)まで延ばす。易しい。ピン豊富
3p目 ピナクル裏まで 宮島リード 20m U 7:45着  テラスから右に回りこんでピナクル裏まで。ロープの屈曲に注意
4p目 フェース 大石リード 20m V+  ピンは途中2本
5p目 リッジ コンテで登る 40m T
6p目 ハイマツ混じりのフェース 大石リード 40m U     ハイマツとフェースの境目を登る。ピンは少なめ
7p目 リッジ上の凹角 大石リード 40m V     ピン少ない
8p目 ピナクル林立のリッジ 大石リード 30m W     出だしのピナクル等見た目いやらしい。登るか巻くか迷うがピンあるので登る。ロープの流れを考えて途中で切る
9p目 ピナクル林立のリッジ 大石リード 20m W     T5まで
10p目 核心の鼻 大川リード  35m X 11:00スタート     リッジ途中の狭いテラスまで。大川フリーで越える。
11p目 クラックからフェイス 大川リード 20m V+ 12:00スタート     ザイルがもやしになってしまい、大石、宮島はほどいて結びなおす。30分ほど時間を食う。
12p目 リッジ、フェース 大川リード 25m V+     リッジは基本的に三の窓側を行く。
13p目 ナイフエッジ 大川リード 50m V ザイル一杯まで伸ばしてチンネの頭の10m手前の稜線まで。ここからはザイル必要ない場所なので、12:40登攀終了。一応ビレーしながらチンネの頭に登り記念撮影。 

5.山行中の問題点・事故に繋がる要因
 
a. 予定のルート・日程で行動出来たか 予定ルートをはずれた場合あるいは日程が異なった場合はその理由
・結果的に予定通り行動できた。
b. 事故に繋がりそうな要因(ヒヤリハット)が発生したか 発生した場合は具体的に記す
・長次郎雪渓はズタズタに切れており、所々危険な状態になっていた。15日我々が通過したスノーブリッジが17日の下山時には切れ落ちていた。
また、剣沢との出合いも15日我々が通過した雪渓が切れていて、偵察に行った大川が、雪渓が崩れ片足が膝まで落ちた。下は2〜3mのシュルンドとなっていた。

・左稜線T5を大川が登攀中、緊張感からかZクリップを2回やってしまった。核心部の手前だったため、事なきを得た。その後核心部以降は落着いて登攀できた。
その後セカンド引上げの際ザイルの捌きが悪く、もつれ、次のピッチに時間がかかった。

・17日長次郎雪渓下降時、雪渓が切れていたため、右岸の岩場を下降。磨かれた一枚岩下降時に大川がアイゼンを滑らし1.5m程滑落したが、特に怪我はなかった。
以降岩場はアイゼンを外し、登山靴で通過した。
c. )パーティーで、山行中の事故に繋がる要因につき、山行後検討したか?
・この時期の雪渓のコース取りは、特に慎重な判断が必要。安全策を取るべき。                  
6.その他、ルートに関する情報・気がついた事、メンバーの感想
(大川)

・剣岳のバリエーションルートは、今まで経験した落石の他、今回は雪渓崩壊の危険をひしひしと感じた。危険な場所では、緊張感を維持しながら慎重に行動することが必要と思う。

・今回は天候に恵まれた事と、事前にメーーバーで十分なトレーニングが出来たことと、今までの剣岳体験があり、予定通り山行を行うことができた。

今回、色々ハードルはあったが、左稜線登攀という目標を最後まで降ろさなかったことが登頂成功につながったと思う。
充実した山行ができたのは、メンバーの協力のおかげです。ありがとうございました。




報告者

大川  2012年9月23日