赤谷尾根から北方稜線、剱岳、早月尾根をラウンドするチョット体力のいる山行を企画しました。予備日も入れて3泊4日の山行ですが、最終日は雨の予想。2泊3日で走破する気持ちで神戸を後にしました。馬場島26日の朝はあいにくの雨。なかなか止む気配もないので、小雨のなか出発しました。白萩川取水口手前200mほど手前から赤谷尾根に取付きました。幸いなことにトレースがありました。赤谷尾根中腹で追いついたパーティは3人組み。福島から来たそうです。赤谷尾根も中腹辺りから雪に変わり、昨日からの積雪も重なり膝から腰のラッセルとなりました。ところが、福島のパーティのリーダが物凄い強人でした。膝下のラッセルであれば、後続を引き離すスピード。我々は彼が休憩しているときに少しだけラッセルする程度で27日はほとんど彼がラッセルしていきました。あんな人初めて拝見しました。彼らは赤谷山まであと少しの標高2100m付近でテント泊しました。赤谷山はすぐそこです。150m登れば赤谷山。我々は宿泊場所を赤谷山と定め、彼ら抜きで交代でラッセルしました。ナイフリッジの上の腰上のラッセル。まったく進みません。1時間ほど格闘したでしょうか。本日の赤谷山は諦め少し戻り、彼らのテントから100mほど進んだところにテントを設営しました。まったくショボイです。翌日は、赤谷山までは我々がラッセルする気持ちで挑みました。彼らは1時間ほどして我々の後ろに来ましたが、今回は任せてくれたようで、赤谷山まで我々がラッセルしました。ほんのチョットだけ恩返しできた気分です。赤谷山は濃霧でしたが、その後、天気は回復し、所々から剱岳、小窓尾根、早月尾根、遠くは後ろ立山連峰を眺望する絶好の山行になりました。彼らは急な雪壁の登り降りを全てノーザイルでこなしていきます。我々は5回ほどザイルを出しながらだったので、彼らとは随分距離が開きました。彼らは、三の窓まで行き明日は早月尾根から下山するとのこと。白ハゲあたりでお別れとなりました。今回の北方稜線の山行は小窓で打ち切りましたが、28日の天気が良かったので満足のいく山行となりました。
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赤ハゲ付近 |
大窓ノ頭からの剱岳 |
報告者
井谷 2013年4月30日